競馬に限らず色んなスポーツで「シルバーコレクター」がいます。
シルバーコレクターとは、2着が多い人や馬を指す言葉で、競馬にも数多くのシルバーコレクターが存在します。
ここでは、中央競馬・中央競馬を問わず2015年以降のシルバーコレクターを中心に紹介します。
シルバーコレクターな競走馬
主に2015年以降に活躍したシルバーコレクターを中心に紹介します。
現役馬に限らず引退した馬も含めて紹介します。
エタリオウ
通算成績 | 17戦1勝 |
2着回数 | 7回 |
主な勝ち鞍 | 2017年2歳未勝利戦 |
獲得賞金 | 2億448万円 |
唯一の勝ち星は2歳時の未勝利戦のみとなっていますが、生涯獲得賞金は2億円を超えています。
2017年12月の2歳500万下のレースから4戦連続で2着となり、シルバーコレクターの片鱗を見せたエタリオウでしたが、日本ダービー(G1)で4着となり、2着のスパイラルからは脱出しました。
しかし、次走の神戸新聞杯(G2)から3戦連続で2着になり、「シルバーコレクター=エタリオウ」となりました。
勝利に一番近かったのが菊花賞(G1)で、1着のフィエールマンにハナ差で敗れてしまいました。
2019年の天皇賞春(G1)からは馬券外が続き、2020年の天皇賞春(G1)を最後に引退しました。
引退後は種牡馬となりました。
カレンブーケドール
通算成績 | 17戦2勝 |
2着回数 | 7回 |
主な勝ち鞍 | 2019年スイートピーステークス(L) |
獲得賞金 | 4億5805万円 |
大きな舞台での2着が多いためシルバーコレクターという印象が強い馬です。
デビュー戦は2着でしたが、そこから未勝利戦やスイートピーステークスを勝利していきます。
そして迎えた2019年のオークス(G1)で12番人気と低評価ながら2着に入ります。
ここからシルバーコレクターの本領発揮で、次走の紫苑ステークスは3着だったものの、秋華賞(G1)、ジャパンカップ(G1)、京都記念(G2)、オールカマー(G2)と4戦連続で2着となります。
強豪ぞろいのメンバーのなか激走を見せますが、何故か勝つことができないのです。
2020年のジャパンカップ(G1)は4着、有馬記念(G1)は5着とシルバーコレクターを脱したかに見えましたが、2021年の日経賞(G2)でまたしても2着となりました。
2021年の天皇賞秋(G1)を最後に引退し、繫殖牝馬となりました。
サウンズオブアース
通算成績 | 30戦2勝 |
2着回数 | 8回 |
主な勝ち鞍 | 2014年はなみずき賞(500万下) |
獲得賞金 | 4億6744万円 |
主な勝鞍は「はなみずき賞(500万下)」ですが、獲得賞金は4億円以上という名馬です。

2着が長く続くというよりはコンスタントに2着を出す馬で、2014年~2016年の間に2着を7度たたき出しました。
菊花賞(G1)や有馬記念(G1)、ジャパンカップ(G1)などで2着になりましたが、勝った馬はキタサンブラックやラブリーデイといった名馬ばかりです。
2016年のジャパンカップ(G1)の2着以降は引退する2018年まで一度も馬券内に来ることはありませんでした。
2024年に大腸炎を発症し、死亡しました。
ナムラクレア
通算成績 | 21戦6勝(2025年5月時点) |
2着回数 | 6回(2025年5月時点) |
主な勝ち鞍 | 2024年阪神カップ(G2) |
獲得賞金 | 6億6201万円(2025年5月時点) |
勝ち星も多いので純粋なシルバーコレクターではありませんが、特定のレースのシルバーコレクターと言えます。
ナムラクレアは、高松宮記念(G1)を3年連続(2023年~2025)で2着となっています。
毎年、鋭い脚で追い込んでくるのですが、わずかに届かずの2着となっています。
G1で3年連続で2着になっている馬は、ディープボンドやクロコスミアなどがいますが、競走馬の数を考えれば極めて珍しいと言えます。
アエロリット
通算成績 | 19戦4勝 |
2着回数 | 7回 |
主な勝ち鞍 | 2017年NHKマイルカップ(G1) |
獲得賞金 | 4億5917万円 |
シルバーコレクターという印象がない人も多いかもしれません。
ただ、19戦して7度の2着はシルバーコレクターと呼ぶに値する数字と言えるでしょう。
NHKマイルカップ(G1)など3つの重賞を勝っており、シルバーコレクターの中ではしっかりと大きいレース勝ちがある珍しいタイプです。
新馬戦は快勝しましたが、そこから3戦連続で2着になり、それ以降もコンスタントに2着を出し続けました。
逃げ馬だったため、2着になるときは全て後ろから差されての2着でした。
2018年から2年連続で安田記念(G1)をクビ差の2着と好走しました。
2019年に引退し、繫殖牝馬となりました。
リスグラシュー
通算成績 | 22戦7勝 |
2着回数 | 8回 |
主な勝ち鞍 | 2019年有馬記念(G1) |
獲得賞金 | 8億8738万円 |
元シルバーコレクターです。
22戦して2着8回とシルバーコレクターらしい数字ですが、G1を3勝するなど通算7勝を挙げています。
2019年に覚醒しましたが、それまではシルバーコレクターと呼ばれていました。
G1で5回2着になっており、もし2018年で引退していたら最強のシルバーコレクターとなっていたでしょう。

2019年の宝塚記念からコックスプレート、有馬記念とG1を3連勝する活躍をみせ、引退しました。
なかなか勝ち切れない馬でしたが、有馬記念(G1)ではアーモンドアイやサートゥルナーリアを圧倒的な力で蹴散らしました。
今ではリスグラシューがシルバーコレクターだったことを誰も覚えていないでしょう。
ワントゥワン
通算成績 | 29戦5勝 |
2着回数 | 8回 |
主な勝ち鞍 | 2018年雲雀ステークス(1600万下) |
獲得賞金 | 1億6461万円 |
重賞は1度も勝つことができませんでしたが、2018年の関屋記念(G3)、京成杯オータムハンデ(G3)、富士ステークス(G2)で3戦連続2着に入る活躍を見せました。
3戦全てで上がり最速の脚を使っており、最後方からの追い込みは目を見張るものがありました。
ワントゥワンは乗り替わりが多く、全部で17人の騎手が騎乗しました。
なので、2着になったレースは全て別の騎手という非常に珍しいシルバーコレクターでした。
どんな騎手でも好走できる馬の能力の高さが垣間見える一方で、シルバーコレクターなのは馬に何かしらの問題があったことが考えられます。
2019年に引退し、繫殖牝馬となりました。
初年度産駒のワンダイレクト(父ハービンジャー)は、2023年の弥生賞(G2)で3着に入るなど、一定の成績を残しています。
ラブカンプー
通算成績 | 35戦3勝 |
2着回数 | 8回 |
主な勝ち鞍 | 2020年CBC賞(G3) |
獲得賞金 | 1億7712万円 |
デビューから3戦連続で2着になるなど、2歳の時からシルバーコレクター臭を漂わせていました。
シルバーコレクターとして本領発揮したのは3歳で、9戦して2着が5回でした。
セントウルステークス(G2)やスプリンターズステークス(G1)でも2着となり、いつか重賞を勝つだろうと期待されていましたが、2019年に入ってからは惨敗が続いていました。
しかし、2020年7月のCBC賞(G3)を13番人気ながら見事に逃げ切り、初重賞制覇を達成しました。
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引退後は繫殖牝馬となり、初年度産駒のラブアイミー(父サンダースノー)は2024年の新馬戦で勝利を挙げています。
リュウノユキナ
通算成績 | 55戦10勝 |
2着回数 | 14回 |
主な勝ち鞍 | 2021年クラスターカップ(Jpn3) |
獲得賞金 | 3億7385万円 |
勝ち星も多いため、シルバーコレクターな印象はないですが、通算で計14回も2着がある馬です。
なかでも、2021年のカペラステークス(G3)から2022年の同レースまでの計7戦中6回の2着とシルバーコレクターぶりを発揮しました。
しかも、中山や阪神、門別、大井と競馬場がどこになっても2着という結果でした。
2024年に引退となり、その後は種牡馬となりました。
アベニンドリーム
通算成績 | 55戦6勝 |
2着回数 | 8回 |
主な勝ち鞍 | 2020年北海優駿(H1) |
獲得賞金 | 4310万円 |
地方競馬所属のシルバーコレクターです。
2019年に門別でデビューし、2戦連続で2着となりましたが、その後は勝ったり負けたりを繰り返していました。
シルバーコレクターとなったのはそのあとで、2019年の10月から4戦連続で2着となりました。
そのうちの2戦が鎌倉記念(S2)と北海道2歳優駿(Jpn3)であり、どちらも人気薄での好走でした。
ただ、4戦連続2着で迎えた2020年5月の北斗盃(H3)では1番人気に推されましたが6着でした。
その後、北海優駿(H1)を勝つなどシルバーコレクターから抜け出しましたが、2020年後半は不調に悩まされ結果を残すことができませんでした。
ジョウショーカード
通算成績 | 52戦0勝 |
2着回数 | 14回 |
主な勝ち鞍 | 勝利なし |
獲得賞金 | 4310万円 |
2019年に中央でデビューし、2020年に地方の名古屋競馬に移籍しました。
ジョウショーカードは最もシルバーコレクターの称号にふさわしい馬かもしれません。
中央では全て馬券外でしたが、名古屋に移籍するとシルバーコレクターとして頭角を現していき、計14回の2着があります。
また、この馬が凄いのは2020年9月から2020年12月まで8戦連続で2着になっていることです。
どんな状況でも必ず2着に来る力を持っていました。
最後まで勝つことはできませんでしたが、シルバーコレクターとして競馬ファンの印象に残る馬でした。
まとめ
競馬界には1回も掲示板に入れなかった馬もたくさんいるので、シルバーコレクターでも十分活躍した馬と言えるでしょう。
まだまだ現役バリバリの馬もいるので、リスグラシューのように急に覚醒する馬もいるかもしれません。
いずれにせよ、今回紹介した馬たちはこれからも好走する確率の高い馬なので、馬券を買う際は注目してみてはいかがでしょうか。