競馬初心者が新聞を見ている際、よく疑問に感じるのが斤量です。
斤量の横の数字は何を表すのかなど、競馬初心者からするとイマイチ分からないでしょう。
ここでは、競馬初心者向けに斤量についてまとめています。
斤量とは
斤量=負担重量です。
競馬では、競走馬は決められた斤量(負担重量)を背負ってレースに出走しなくてはいけません。
たとえば、斤量54kgなら、騎手の体重も含めて54kgの重りを背負って出走するということです。
なので、この場合、騎手の体重は54kgを超えてはいけませんし、騎手の体重が51kgなら不足分の重りをつけます。
よく競馬新聞などの馬名近くに56など数字が書かれていますが、これが斤量です。
基本的に50kg台の斤量がほとんどですが、稀に40kg台や60kg台の斤量があります。
斤量は牡馬の方が重く、牝馬はレースによって異なりますが牡馬より-2kgとなっているレースが多いです。
若手騎手は斤量が軽い
中央競馬では、女性騎手と騎手免許の取得期間が5年未満で、勝利回数が100回以下の騎手は斤量が軽くなります。
勝利回数ごとに軽くなる斤量が異なり、勝利数30だと3キロ減、31~50以下は2キロ減、51~100回以下は1キロ減となります。(女性は勝利数50以下が4キロ減、51~100以下が3キロ減)
たとえば、斤量56kgのレースなら、ベテラン騎手が乗る馬は56kgのままですが、勝利数30以下の若手騎手の馬は53kgとなります。
ただ、ハンデ戦や特別競走では上記の減量は適用されません。
また、女性騎手は勝利回数に関わらず、永続的に2キロ減が適用されます。
レースごとの斤量
レースごとに斤量は変わってきます。
競馬には、別定戦、定量戦、ハンデ戦というのがあり、それぞれ斤量が異なります。
別定戦
別定戦は基準重量+馬齢、勝利回数、収得賞金などによって斤量が決められているレースです。
たとえば、日経賞では4歳牡馬が55kg、5歳牡馬が56kgで、過去にG1で1着だと+2kgなど細かく斤量が設定されています。
別定戦は重賞レースに多いですが、基本的に馬齢が若くて、重賞でも結果を出していない馬の斤量は軽いです。
逆に、高齢馬でもG2などで優勝していたりすると、重い斤量を背負うこととなります。
定量戦
定量戦は別定戦のなかでも馬齢と性別を基準に斤量が決まっているレースのことです。
G1レースのほとんどは定量戦です。
たとえば、年末に行われる有馬記念では3歳が55kg、4歳以上が57kg、牝馬はこの斤量から-2kgとなります。
なので、そんなに活躍できていない馬でも馬齢と性別によっては、有力馬と同じ斤量になってしまいます。
ハンデ戦
ハンデ戦とは、競走馬の過去の実績などを考慮し、ハンディキャッパーがそれぞれの斤量を定めるレースです。
要は強い馬には重い斤量、弱い馬には軽い斤量が設定されるレースです。
なので、斤量の差が大きく離れる場合もあります。
たとえば、2021年の中山金杯では一番軽い斤量が52kg、一番重いのが58kgでした。
また、かなりの斤量を背負わされる馬もいます。
特にG1で好走している馬がハンデ戦に出走した場合は60kg以上を背負う可能性があります。
斤量の影響
やはり、斤量が競走馬に与える影響は大きいです。
斤量1kgで1馬身変わるというのは競馬界ではよく言われていることです。
そのくらい斤量の差は大きいのです。
斤量の軽い馬が勝つわけではない
当然のことですが、斤量は軽い方が有利です。
ハンデ戦後のコメントで「斤量が響いた」や「斤量の影響が大きい」といったのがありますが、やはり重い斤量を背負った馬はベストパフォーマンスが難しくなります。
ただ、斤量の軽い馬の方が活躍するかと言ったら、そうでもないです。
たとえば、ハンデ戦の小倉大賞典や新潟記念では、軽い斤量の馬は活躍できていません。
いくら斤量差があっても、馬の能力に大きな差がある場合は重い斤量でも好走できるのです。
また、軽い斤量の場合はいつもの騎手が騎乗できない場合があります。
仮に斤量51kgだったら、騎手は体重を51kg以下にしなくてはいけません。
そのため、そこまで減量できない騎手は騎乗しないので、これまで騎乗していた騎手が乗れない場合もあります。
斤量を考慮した予想方法
斤量を考慮した予想方法をいくつか紹介します。
軽い斤量の逃げ馬を狙う
ハンデ戦では非常に軽い斤量が設定されることがあります。
もちろん、軽い斤量ということは、まだ力が足りない馬とも言えます。
ただ、軽い斤量の馬でも脚質が逃げの馬は狙い目です。
スタートさえ決まれば、斤量が軽いのですんなり逃げられますし、道中もリズムよく走れ、そのまま逃げ切る可能性が高いです。
斤量の重い馬は、斤量の軽い馬を捉えに行かないといけないですが、無理していくと最後にバテるので、難しいレース運びになります。
実際、2021年のマーメイドステークスでは50kgと軽い斤量の10番人気の馬が逃げ切り、優勝しました。
また、逃げ馬でなくても、軽い斤量の馬は思い切って逃げる場合があるので、逃げる可能性のある軽い斤量の馬は狙いどころと言えます。
重い斤量に慣れた馬もいる
重い斤量は不利ではありますが、重い斤量に慣れている馬もいます。
そういった馬は重い斤量だからといって、評価を下げるのは危険です。
たとえば、ダコールという馬はトップハンデ(一番重い斤量)で新潟大賞典を優勝、小倉大賞典2着という結果を残しています。
この馬は常に重い斤量を背負っていたので、重い斤量に慣れており、不利に働くことはなかったのです。
なので、近走で重い斤量ながら好走している馬は、トップハンデだからと言って、評価を下げるのはやめましょう。
まとめ
斤量は競走馬が負担する重量のことで、レースによって斤量は変わります。
斤量が競走馬に与える影響は大きいので、予想する際は斤量も考慮して予想しましょう。