競馬には色んな楽しみ方がありますが、なかでも通な楽しみ方が一口馬主です。
競馬予想や馬券購入では飽き足らず、一口馬主にも手を出す人は意外と多いです。
ただ、一口馬主には興味があるけど、よく分からないから手を出していない人も多いかと思います。
ここでは、実際に一口馬主をやっている私が、一口馬主になる方法や儲かるのかなど、一口馬主について紹介します。
一口馬主とは
一口馬主とは、ざっくり言うと競走馬を共同所有するシステムです。
一般的な個人馬主の場合、競走馬の代金や維持費など諸々の費用を全て一人で負担します。
一方、一口馬主は費用が口数ごとに分割されているので、安い費用で馬主気分を味わうことができます。
ただ、賞金も口数で分割されますし、自分の意向だけで馬名や出走ローテーションを決めることはできません。
一口馬主になるには
一口馬主は基本的に誰でもなれます。
馬主になるには年収など様々な基準がありますが、一口馬主の場合はこれと言った基準はありません。
ただ、一口馬主になるにはいくつかの手順を踏む必要があります。
クラブに入会する
一口馬主になるにはクラブに入会する必要があります。
シルクホースクラブや社台サラブレッドクラブなど色んなクラブの中から、入りたいクラブに加入します。
クラブごとに入会費・月会費が設けられており、入会費が1~3万円、月会費が1000円~3000円ほどとなっています。
クラブによって特色は様々で、良血馬ばかりのクラブや比較的安い金額の馬を多く扱うクラブなど色々あります。
自分の予算やどういった馬を買いたいか考えて、クラブを選びましょう。
ちなみに、一口馬主デビューにおすすめなのはノルマンディーオーナーズクラブです。
まず、ノルマンディーは入会費1万円、月会費1000円と他のクラブと比べて安いです。
さらに、1000万円台の馬も多いので、一口の料金も2万円や3万円など安いです。
かと言って、競走馬の質が悪いわけでもなく、最近では3冠牝馬デアリングタクトも輩出しています。
どのクラブに悩んでいる場合はノルマンディーオーナーズクラブを試してみてはいかがでしょうか。
馬を選ぶ
クラブに入会したら、クラブが募集している馬の中から一口馬主になりたい馬を選ぶ必要があります。
正確に言うと、クラブに入会すると同時に一口馬主になりたい馬を選ぶ必要があります。
なので、基本的にクラブの入会費とともに馬の代金を支払う必要があります。
募集馬はクラブごとに様々で、大手のクラブなら良血馬や高額馬を取り扱っていますが、会費や倍率は高いです。
基本的に血統を基にして馬を選ぶ人がほとんどです。
ただ、良血馬だからといって活躍するとも限りません。
一口馬主と言えば、1歳馬を買うのが主ですが、1歳馬の場合はデビューするまで1年以上はかかってしまいます。
その過程を楽しむのも一口馬主の醍醐味ですが、早くデビューしてほしい人は2歳馬を買うという手もあります。
また、複数の馬を買うこともできるので、1歳馬を1頭、2歳馬を1頭買うということも可能です。
口数を選ぶ
一口馬主なので、一口から購入できます。
口数ごとに馬の代金や月額の費用は倍になりますが、クラブの入会費や月会費は変わりません。
購入口数が多ければ多いほど、馬が活躍すればリターンも大きくなります。
募集口数は40口や400口、500口など馬ごとに異なります。
40口の場合は一口の代金が高額ですが、賞金なども40分の1なのでリターンも大きいです。
逆に400口だと一口の代金は少額で済みますが、リターンも少ないです。
たとえば、1000万の馬なら40口だと一口25万円、400口だと2万5千円となります。
一口馬主の費用
クラブや馬によって費用は変わってくるので、ここでは私の体験談を基に紹介します。
まず、一口馬主を始める際に掛かるのがクラブの入会費と馬の代金です。
私が入ったクラブは入会費が10000円、月会費が1000円でした。
そして、馬の代金が一口32000円だったので、最初に掛かったのは諸々合わせても45000円ほどです。
次に、月々の費用ですが、月会費と維持費などを合わせて2000円~3000円くらいです。
年に1度、保険料が掛かりますが1000円程度と安いです。
なので、月々数千円で一口馬主ライフを満喫できました。
ただ、クラブや募集価格など条件によって金額は左右するので、金額等をよく見てからクラブに加入しましょう。
一口馬主は儲かるのか
基本的に一口馬主は儲かりません。
競馬は1勝するのも大変な世界ですし、一口馬主の場合、1勝・2勝したくらいでは元を取ることはできません。
そもそも、きちんとデビューできるかも分からないですし、大ケガで予後不良なんてこともあります。
一口馬主で儲けるには重賞クラスを勝つ馬や上のクラスでコンスタントに稼ぐ馬でないと厳しいです。
一口馬主は儲けるというより、馬主としての気分を味わう、競走馬の人生を追いかけるなど、お金以外で楽しむものと思った方がいいです。
もちろん、いい馬に巡り会えれば一攫千金も夢ではありません。
ただ、一口馬主の大多数はマイナス収支、あわよくば多少のプラスくらいのレベルです。
勝たなくてもお金は入ってくる
選んだ馬が活躍しないからといって、全くリターンがないわけではありません。
仮にレースで勝たなくても、出走手当や着順による賞金は入ってきます。
口数によって分配されるので、1口だけだと微々たるものですが、プラス収支になる月もあります。
また、競走馬が大怪我したり、1度も出走せず引退した際は出資した金額のいくらかは戻ってきます。
全て戻ってくるわけではないですが、毎月の明細にどれくらい戻ってくるかは記載されています。
なので、選んだ馬が活躍しなくても、多少のリターンはあります。
一口馬主デビューなら複数頭買おう
一口馬主を始めるなら、1頭だけでなく複数頭買うことをおすすめします。
一口馬主になって分かることですが、競走馬はデビューするまでが非常に長いですし、レースの間隔もかなり空きます。
たとえば、1歳馬を6月に買った場合、デビューできるのは2歳6月からとなります。
順調にいけば6月デビューですが、ケガや体調が整わなければデビューが長引き、3歳の夏にデビューなんてこともあります。
中央競馬は3歳秋までに1勝もできないと、ほぼ出られるレースがなくなってしまいます。
予定通り順調にいく競走馬は意外と少ないです。
また、1戦走って次は数か月先なんてこともよくあります。
せっかく毎月お金を払っているのに、レースに出てくれなければお金も増えませんし、何より退屈です。
なので、1歳馬と2歳馬を合わせて買ったり、1歳馬を複数頭買うことをおすすめします。
何頭か持っていれば、月に1回はレースに出走する馬が出てきてくれます。
また、1頭が化けてくれれば、一気にプラス収支なんてこともあり得ます。
お金に余裕があって、一口馬主を存分に楽しみたい人は複数頭買いましょう。
一口馬主のメリット・デメリット
一口馬主のメリットは馬主気分になれて、1頭の馬に深い愛着を持てるようになることです。
色んなことを経てデビューするので、デビューした時の喜びは半端ないですし、レースで勝った時はわが子がオリンピックで金メダルを取ったような喜びがあります。
こういった喜びを味わえるのは一口馬主だけです。
また、自分の馬を1歳から引退まで追いかけるので、競走馬がどういった競馬人生を歩んでいくのかなど競馬についても詳しくなれます。
一方、一口馬主のデメリットは金銭面です。
先ほど紹介したように一口馬主は儲かりません。
自分の馬が走らなくても毎月お金はかかってきます。
また、自己都合で勝手に一口馬主をやめることもできません。
最後まで責任を持って、一口馬主を続ける必要があります。
なので、メリット・デメリットを考えて一口馬主になるかどうか考えましょう。
初めてならダート馬がおすすめ
一口馬主は上手くいくことの方が珍しいです。
数戦して引退なんてことはよくあります。
中央競馬の場合は、1勝もできないと出られるレースがなくなり、引退か地方移籍の2パターンに分かれます。
芝向きの馬を買うと、ダートが主戦の地方に移籍しても活躍が見込めず、そのまま引退となることが多いです。
盛岡に移籍して、芝のレースで勝っていくこともありますが、狭き門ではあります。
ダート馬なら、仮に成長が遅く、中央で勝てなくても地方で力をつけて再転入が見込めます。
なので、初めての一口馬主の時は、ダート血統、もしくは芝・ダート両方でそこそこ走りそうな血統の馬を選ぶことをおすすめします。
まとめ
一口馬主になるには、クラブに加入する必要があります。
クラブに加入し、馬の代金を支払ったら、途中でやめることは基本的にできません。
一口馬主で儲けることはかなり難しいですが、買った馬がG1級になれば大儲けできる可能性もあります。
一口馬主は投資なので、メリット・デメリットをよく考えてから始めましょう。