毎年、競馬界では何かしらの不祥事や事件が起きます。
ただ、ニュースなどで大きく取り上げられることが少ないので、あまり知られていないことが多いです。
ここでは、近年で起きた競馬の不祥事や事件をまとめてみました。
中央競馬、地方競馬問わず紹介します。
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岩手競馬の薬物問題
2018年の7月に岩手競馬で禁止薬物陽性馬が発生しました。
7月の水沢競馬で2着になった馬からボルデノン(筋肉増強剤)が検出されました。
ただ、禁止薬物陽性馬が出ることはそれほど珍しいことではありません。
中央競馬でも時折、発生することがあります。
ですが、岩手競馬の場合はこの事件を皮切りに9月、10月、12月にも禁止薬物陽性馬が発生しました。
これだけ続けて薬物事件が起きるのは滅多にありません。
どの事件についても心当たりが誰もなく、誰が何のためにやっているのか見当もつきませんでした。
その後、岩手競馬は刑事告発をしましたが、いずれの事件も犯人が分からないまま、捜査は難航しました。
そして、翌年の2019年11月にまたしても競走馬の1頭から筋肉増強剤が検出されました。
その後も新たに薬物陽性馬が発生し、2018年8月~2019年12月までで計12頭となりました。
馬券購入で逮捕
2020年9月に高知競馬の那俄性調教師が雇用していた厩務員が地方競馬の馬券を購入し、競馬法違反で逮捕されました。
地方競馬の厩舎関係者が地方競馬の馬券を買うことは競馬法で禁止されています。
この逮捕により指導監督の不十分ということで、那俄性調教師は戒告処分となり、実行20日間の章典停止となりました。
逮捕された厩務員は厩務員資格を取り消され、競馬への関与も2年間停止となりました。
ちなみに、同様の事件は地方競馬では頻繁にあり、2019年の7月にも岩手競馬の厩務員が地方競馬の馬券を購入し、逮捕・起訴されています。
中央競馬の調教師が飲酒運転で逮捕
2018年の7月に中央競馬の角居勝彦調教師が酒気帯び運転で現行犯逮捕されました。
JRAは角居調教師に対して6ヶ月の調教停止処分としました。
角居調教師といえば、ウオッカやエピファネイア、キセキなど数々の名馬を育てた調教師です。
逮捕された2018年もサトノワルキューレでフローラステークスを勝つなど活躍しており、競馬界に大きな衝撃を与えるニュースとなりました。
ただ、調教停止処分が解けた2019年1月にアメリカジョッキーCをあっさりと勝ち、皐月賞をサートゥルナーリアで、日本ダービーをロジャーバローズで制しています。
その後、2021年2月に家業を継ぐため勇退しました。
騎手が競走距離を間違える
不祥事ではありませんが、2018年10月に新潟6Rで山田敬士騎手が競走距離を誤認し、最下位に敗れる珍事件がありました。
新潟2500mはコースを2周しますが、山田騎手はなぜか1周目の直線で鞭を連打し、ゴール版を過ぎた後に競走をやめようとします。
直後にもう1周あることに気づき、急いでレースに戻りますが、結果はダントツの最下位に終わりました。
騎手が距離を誤認すること自体あり得ないことですが、何より2番人気の馬に乗っていたので余計大きな問題となりました。
2番人気ということは多くの人が馬券を買っており、その分、多くの競馬ファンから怒りを買うこととなりました。
ただ、若手騎手ということもあって擁護の声も多くありました。
その後、裁定委員会が開かれ山田騎手は約3か月の騎乗停止処分となりました。
156頭が競走除外のハプニング
2019年6月15日、16日に出走予定だった馬が禁止薬物を摂取した可能性があるとして、該当馬156頭が競走除外になるハプニングがありました。
納品された飼料の中に禁止薬物が含まれており、その飼料を食べた可能性のある馬が競走除外となりました。
この飼料は以前から使われており、禁止薬物が含まれていないことが確認されていましたが、2018年12月から禁止薬物が含まれるようになったとのことです。
そのため、今回より前に出走していた馬は禁止薬物の恩恵を受けていた可能性も浮上しました。
JRAは2019年7月に会見を開き、薬物騒動の原因は飼料と同じ製造ラインでカカオ豆が粉砕されており、その粉じんが混入したためと発表しました。
また、除外馬には3着賞金相当を補償するとも発表しました。
この事件については以前にまとめた記事があるので、興味のある方はご覧ください。
笠松競馬の不祥事
2020年6月に笠松競馬の関係者4人が馬券を購入した疑いで事情徴収を受ける出来事があり、その後、書類送検の方針となりました。
この関係者の中には当時の笠松のトップジョッキーも含まれており、この騎手は同年8月に免許を更新せず引退しました。
報道によると、4人中2人が馬券購入を大筋認めており、出走馬の不調などの内部情報を仲間内で共有し馬券を購入していました。
さらに、この4人を含む関係者10人以上が馬券の払い戻し金に関して、国税局から申告漏れを指摘されていたことが明らかとなり、笠松競馬は開催自粛となりました。
その後、2021年9月に再開しました。
JRAの持続化給付金問題
2021年2月、新型コロナ持続化給付金をJRAの厩舎関係者160名以上が不適切に申請・受給していたことが明らかとなりました。
持続化給付金の趣旨や目的を理解しないまま申請・受給しており、大きな話題となりました。
日本中央競馬会や日本騎手クラブが謝罪のコメントを出し、申請・受給したほとんどの厩舎関係者が返還または返還手続きをしていると発表されました。
受給者の名前は明かされませんでしたが、一部の騎手や調教師も受給していました。
この騒動はJRAの馬主でもある男性税理士が多くの厩舎関係者に持続化給付金の話を持ち掛けたことが発端と言われています。
この騒動による開催中止などはなく、中央競馬は通常開催されています。
騎手同士の喧嘩
2024年6月に池添謙一騎手と富田暁騎手が飲食店で口論となり、その後も調整ルーム内でもみ合いとなった結果、池添騎手は4日間、富田騎手は2日間の騎乗停止処分を受けました。
人気ベテラン騎手と若手騎手の喧嘩ということで、大きな話題となりました。
酔った状態で池添騎手が富田騎手に対し高圧的な態度で絡むなどしたことにより、この騒動が起きたと言われています。
地方トップ騎手のハラスメント
愛知県競馬を代表するトップ騎手である岡部誠騎手がハラスメントを行ったとして開催日8日間の騎乗停止や戒告処分を受けました。
ハラスメントは多岐にわたっています。
- 騎手へのハラスメント行為
- 女性厩務員セクシャルハラスメント行為
- 調教師へのハラスメント行為
などなど、計6つの行為が確認されました。
騎手としてはフェアプレイ賞を3度受賞するなど、誠実な騎乗をする騎手ではありますが、レース外では恐ろしい行為を行っていました。
さらに、話はこれだけで終わらず、2025年6月には通信機器の使用に関しての違反が確認され、愛知県競馬組合から騎乗変更命令出されました。
芝コースに自動車で侵入
前代未聞の事件を騎手が起こしました。
2024年8月に角田大河騎手が函館競馬場の馬場内に自動車で侵入し、芝コースを損傷させ、騎乗停止となりました。
花火大会見るため自動車で侵入したとのことです。
すでに札幌開催だったためレースで使用はされていませんが、芝コースにはタイヤの跡が残っていたそうです。
騎手が飲酒運転で物損事故
2024年8月に松若風馬騎手が朝の調教へ向かう際に物損事故を起こし、その後、アルコール検査で酒気帯びの状態が判明し、道路交通法違反容疑で滋賀県警察に検挙されました。
その結果、騎乗停止となりました。
2025年2月に復帰し、勝ち星を積み重ねています。
まとめ
近年に起きた競馬の不祥事をまとめましたが、細かい不祥事はまだまだあると思います。
そして、今後も増えていくことでしょう。
中央競馬も地方競馬も、公正な競馬を行おうと心掛けてはいると思いますが、度重なる不祥事を見ていると、公正な競馬はないという前提で馬券を購入したほうがいいかもしれません。