競馬には枠順というのがあり、一般的に内枠有利と言われています。
しかし、競馬をやっていると本当に内枠が有利なのか疑問に思うことが多々あります。
ここでは、競馬の内枠が有利なのかデータなどを用いて、分析してみました。
競馬の内枠はどこからどこまで?
内枠と言ってもどこからどこまでが内枠なのか、分からない人もいると思います。
一般的に内枠は1~4枠までを指します。
競馬は最大8枠まであるので、その半分である4枠までが内枠となるのです。
ただ、18頭立てのレースの場合は8番までが内枠と多くなってしまうので、今回は2枠までを内枠と定義します。
なので、18頭立ての場合は1~4番までを内枠とします。
中央競馬の内枠は有利か
中央競馬場の内枠の成績を見てみます。
競馬場のコースや距離によって、枠の成績はかなり異なります。
なので、特定の競馬場に絞って、芝・ダート別に見ていきます。
東京、中京、新潟競馬場の内枠の成績(芝1600m)
今回は左回りコースである東京、中京、新潟競馬場の芝1600mの内枠(1,2枠)の成績を見てみます。
芝1600mでの1枠の成績(2023年1月~2025年6月)
勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
東京1600m | 9.8% | 19.7% | 173% | 95% |
中京1600m | 7.9% | 15.9% | 77% | 99% |
新潟1600m | 6.1% | 9.8% | 90% | 64% |
芝1600mでの2枠の成績(2023年1月~2025年6月)
勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
東京1600m | 5.1% | 13.7% | 119% | 75% |
中京1600m | 8.1% | 16.8% | 67% | 65% |
新潟1600m | 9.2% | 16.1% | 94% | 51% |
上記の表だけを見ても良いのか悪いのか分からないと思いますが、他の枠の成績と比べると、それほど大きな差はないです。
ただ、東京芝1600mの内枠に関しては、単勝回収率はかなり高いので、内枠がいいと言えます。
それ以外は平均レベルなので、中京、新潟の芝1600mに限ると、内枠だからと言って、有利不利は特にないと言えます。
東京、中京、新潟競馬場の内枠の成績(ダート)
ダートでの1枠の成績(2023年1月~2025年6月)
勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
東京 | 5.8% | 16.9% | 95% | 59% |
中京 | 7.1% | 19.1% | 56% | 63% |
新潟 | 6.1% | 15.5% | 89% | 45% |
ダートでの2枠の成績(2023年1月~2025年6月)
勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | |
東京 | 5.3% | 18.3% | 47% | 60% |
中京 | 7.8% | 22.8% | 75% | 76% |
新潟 | 5.2% | 20.0% | 58% | 69% |
中京、東京、新潟競馬場のダートの内枠は他の枠と比べてそれほど差がないです。
むしろ、勝率や回収率を見ると、悪い部類に入るくらいです。
ですので、内枠だからと言って、評価を上げたりする必要はないでしょう。
内枠の成績が良い競馬場
内枠の成績が良い競馬場をコース、距離別に紹介します。
内枠の成績が良い競馬場(芝・距離別)
距離 | 競馬場 |
1200m | 東京、新潟 |
1800m | 阪神、札幌、函館、小倉 |
2000m | 東京、中京 |
2200m | 阪神、新潟 |
内枠の成績が良い競馬場(ダート・距離別)
距離 | 競馬場 |
1200m | 中京 |
1800m | 中京 |
2400m | 中山 |
ダートで内枠の成績が良い競馬場は少ないです。
ただ、内枠の成績が悪いわけではなく、他の枠とそれほど差はないです。
また、上記で紹介した競馬場は内枠の成績が良いですが、飛びぬけて成績が良いわけではありません。
なので、参考程度にご活用ください。
新潟千直は内枠不利
多くの競馬場は内枠と外枠でそれほど差がありません。
ただ、新潟芝1000m(新潟千直)では内枠と外枠で大きな差があります。
新潟芝1000mの内枠と外枠の成績(2023年1月~2025年6月)
枠 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 1.0% | 6.9% |
2枠 | 4.9% | 14.7% |
7枠 | 11.9% | 24.6% |
8枠 | 14.4% | 37.9% |
見て分かるように、外枠の成績がかなり良くて、内枠がかなり悪いです。
この傾向は競馬ファンなら当たり前に知っていることでなので、毎回外枠の馬が人気になります。
一方、何も知らない競馬初心者は成績などから内枠の馬も買ってしまい、痛い目を見ます。
なので、新潟千直は内枠が不利と覚えておきましょう。
内枠は逃げ馬が有利
内枠の成績がいいイメージを持っている人は多いですが、基本的に内枠で好走するのは逃げ馬となります。
内枠の逃げ馬の場合、スタートからハナを主張すれば、すんなりとハナを切ることができます。
外枠の逃げ馬だと、内の馬を外からかわしつつ、先頭に立つ必要があるため、ロスが生じます。
そのため、内枠の逃げ馬のほうが有利と言えます。
また、内枠であれば、ロスなく立ち回ることができるため、最短距離でレースを運ぶことができます。
このような条件から、内枠の逃げ馬であれば、かなり有利と言えます。
地方競馬は内枠が不利
地方競馬はほとんどがダートコースです。
地方競馬のダートは内の砂が深いため、内枠が不利と言われています。
実際、内枠の成績は良くないです。
地方競馬場ごとの馬番1の成績(2020年)
競馬場 | 勝率 | 3着内率 |
門別 | 10.1% | 29.4% |
水沢 | 11.9% | 32.4% |
浦和 | 8.8% | 27.3% |
船橋 | 10.2% | 28.1% |
大井 | 8.3% | 25.8% |
川崎 | 9.6% | 28.9% |
名古屋 | 12.8% | 35.1% |
園田 | 11.5% | 35.3% |
高知 | 8.4% | 29.7% |
佐賀 | 8.8% | 32.0% |
金沢 | 8.8% | 26.0% |
地方競馬の外枠は勝率10%超えがほとんどです。
一方、内枠(馬番1)は10%を切っている競馬場が多く、成績が良くありません。
これは2020年に限ったことではなく、ほぼ毎年、似たような成績となります。
ただ、全ての競馬場の内枠の成績が悪いわけではなく、名古屋や園田は内枠の方が成績が良いです。(悪い年もあります。)
また、どの競馬場にも言えますが、3着内率は高いです。
まとめ
基本的に内枠だからと言って、有利不利は特にないです。
ただ、競馬場によっては内枠が有利不利になることもあります。
また、地方競馬の場合は内枠が不利の競馬場が多いです。
今回紹介したデータは部分的なものなので、参考程度にご活用ください。