競馬初心者の方でも「上がりタイム」や「上がり3ハロン」という言葉は耳にしたことがあると思います。
ただ、競馬初心者からすると上がりが何なのかよく分からないでしょう。
ここでは、競馬の上がりとは何なのかなど、上がりについて紹介します。
競馬の上がりとは
競馬の上がりとは、ゴールまで残り600mのタイムのことを指します。
正確に言うと、上がり3ハロンが600mのタイム、上がり4ハロンが800mのタイムとなっています。
ちなみに、ハロンとは距離を示す用語のことで、1ハロン=200mとなっています。
基本的に日本の競馬では「上がり=最後3ハロンのタイム」となっているので、上がり34秒と聞いたら、最後の600mのタイムが34秒だったと理解しておけばいいです。
上がりは予想の重要なファクター
「上がりが速い=いい末脚を持っている」とも言えます。
上がりが速いということは、最後の直線で他の馬よりも速い脚が使えているということです。
上がりが速ければ最後に他の馬を抜く可能性が高くなりますし、最後まで失速していないと判断できるので、競馬予想で上がりを評価する人は多いです。
なので、競馬新聞の馬柱には上がりが必ず載っていますし、上がり最速の場合は太字や色で強調している新聞が多いです。
また、競馬にはペースや展開によって、上がり勝負になることが多々あります。
上がり勝負になりそうなレースは優秀な上がりタイムを持った馬が人気しやすいです。
上がりの速い馬が勝つわけでもない
では、上がり最速の馬がレースで必ず勝つかと言うと、そうでもありません。
たとえば、JRA歴代の上がり3ハロン最速タイムはエルビッシュという馬が記録した31.8秒です。
しかし、この31.8秒をマークしたレースでエルビッシュは3着でした。
また、2021年4月にコマノウインクルという馬が阪神競馬場で歴代2位の31.9秒をマークしましたが、その時も3着でした。
つまり、上がりタイムが早いと言っても、必ず勝つわけではないのです。
上がりが速くても勝てない主な要因は位置取り(脚質)です。
上がりが速い馬は差し・追い込み馬
競走馬には脚質というのがあり、上がりタイムが速い馬は基本的に脚質が差し・追い込みです。
差し・追い込み馬とは、序盤は後ろの位置で力を溜めて、最後の直線で力を出すという馬のことです。
当然ですが、最後に力を発揮するので、上がりは速くなります。
一方、逃げ馬のように、レースの最初から飛ばしていく馬は最後の直線で疲れてしまうので、上がりタイムが遅いです。
もちろん、大阪杯を勝ったレイパパレのように逃げたにもかかわらず、上がり最速をマークする化け物も存在します。
要するに、差し・追い込み馬は後方でレースを進めるので、先頭の馬と離れすぎていると、いくら上がり最速をマークしても勝ち切れないのです。
なので、上がり最速でも位置取りが悪いと勝つことはできないのです。
コースや馬場によって上がりは変わる
競馬には芝とダートコースがありますが、芝コースの方が上がりは速いです。
芝の方がスピードが出やすいので、同じ距離のレースでも芝とダートで3,4秒ほど上がりタイムが違います。
また、同じ距離の芝コースでも競馬場によって最後の直線の長さも変わるので、上がりタイムは変わってきます。
また、芝コースは雨が降って重馬場になると、時計が出にくくなるので、上がりも遅くなります。
逆に、ダートコースは雨が降ると、脚抜きがよくなるので、上がりは速くなりやすいです。
馬場状態が競馬に与える影響とは?馬場状態についてまとめてみた
なので、上がりは馬場やコースによって変化するので、どこの競馬場のどんな状態でマークした上がりなのかを確認することが重要です。
穴を狙うなら上がりの速い馬
競馬で高配当をゲットしたいなら穴馬を買うべきです。
基本的に穴馬は惨敗が続いている馬ばかりです。
そんな惨敗している馬の中で狙うなら、近走で速い上がりを使って負けている馬がおすすめです。
速い上がりを使って負けている馬は展開次第でチャンスがあります。
いくら近走で惨敗していても、上がり勝負のレースになれば好走する可能性は十分あり得ます。
また、2,3着に食い込んでくることも多々あります。
地方競馬では逃げ・先行馬が人気しますが、人気馬がスタートから前でやり合いすぎて、しれっと上がりの速い人気薄の馬が馬券内に来ることがよくあります。
なので、展開次第でチャンスのある上がりの速い人気薄を狙ってみましょう。
まとめ
上がりは最後の600mのタイムを指す言葉で、コースや馬場、レース展開によって大きく変わります。
上がりの速い馬を探すのは予想する上で重要なことですが、だからといって上がりの速い馬が必ず勝つとも限りません。
競馬初心者の内はそれほど重要視しなくてもいいかもしれません。