日本の競馬場には右回りのコースと左回りのコースが存在し、右回りや左回りによってパフォーマンスが変わる馬はいます。
ここでは、右回りと左回りの違いや右回り・左回りの得意な馬の見分け方について紹介します。
また、地方競馬の右回り・左回りコースについてもまとめています。
中央競馬の右回り・左回りコース
中央競馬には全部で10の競馬場があります。
それぞれ競馬場ごとに右回り・左回りが決まっています。
また、競馬場には芝とダートのコースがありますが、右回り・左回りかは競馬場で統一されています。
なので、右回り・左回りが入り混じった競馬場は中央競馬には存在しません。
現在、中央競馬の競馬場のうち、右回りの競馬場が7つ、左回りが3つとなっています。
右回りの競馬場 | 左回りの競馬場 |
中山、阪神、京都 小倉、福島、札幌、函館 |
東京、中京、新潟 |
主に競馬は関東(東京・中山)と関西(阪神・京都)で行われますが、関西はどちらも右回りです。
右回りの競馬場が多いですが、G1に関しては右回りも左回りも同じくらいの数です。
競馬の右回り・左回りの違い
当然ことですが、右回りコースの場合は右回りにコースを走り、左回りコースなら左回りに走ります。
右か左の違いだけであって、大きな違いは特にありません。
強いてあげるなら手前です。
手前とは、馬の走り方のことです。
競走馬は前脚を左右同時に着地させるわけではなく、左右どちらかの脚が前に着いてからもう一方の脚を着地させます。
たとえば、右手前なら右前脚を左前脚より前に出して走ります。
この手前が右回り・左回りによって変わってきます。
右回りコースの場合は右手前、左回りコースの場合は左手前で走ります。
右回りコースを左手前で走ると、段々と外に膨れていってしまうのです。
そのため、直線以外ではコースに沿った手前でほとんどの馬が走ります。
右回り・左回りが得意な馬や苦手な馬がいる
競走馬のなかには、右手前や左手前を苦手とする馬がいます。
右手前が苦手な馬は右回りコースの成績がよくないです。
同じく、左手前が苦手な馬は左回りコースの成績がよくないです。
苦手な手前で走ると道中の位置取りを確保できなかったり、コーナーでロスをしてしまうなどデメリットがあります。
結果、苦手な手前で走るコースの成績は悪くなってしまうのです。
ただ、競馬ではレース中に手前を何度か替えます。
たとえば、ずっと右手前で走っていると右脚にばかり負担がかかり、最後の直線で疲れてしまいます。
そのため、右回りなら最後の直線で手前を替え、左手前で走るのです。
なので、手前を替えた瞬間に伸びて、差し切ることもよくありますし、苦手な手前だからと言って全く走らないわけではないです。
右回り・左回りが得意な馬の見つけ方
右回りや左回りコースが得意・不得意な馬は簡単に見つけることができます。
まず、多くの競馬新聞には馬ごとの右回り・左回り別の成績が掲載されています。
右回りの成績が良ければ、右回りが得意だと判断することができます。
仮に右回り・左回り別の成績が載っていない場合はその馬の競馬場ごとの成績を見ましょう。
たとえば、東京や新潟ばかりで好走していたら、左回りが得意と判断することができます。
とはいえ、多くの馬はそれほど右回り・左回りで成績に差がないです。
また、左回りで結果を残していなくても、G1などで相手が強かっただけというパターンもあります。
なので、顕著に右回りと左回りで成績が違っている馬を見つけることが重要です。
また、厩舎コメントなどで調教師が「右回りが得意です」などとコメントしている場合もあるので、厩舎コメントから得意・不得意を判断することもできます。
厩舎コメントは役に立つのか?無料で見るには?厩舎コメントについてまとめてみた
長い直線が合っているだけの場合もある
競馬場ごとに最後の直線の長さは異なります。
基本的に左回りの競馬場(東京、新潟、中京)は最後の直線が長いです。
特に新潟競馬場の外回りコースの直線は日本で一番長いです。
そのため、エンジンのかかりが遅い馬や最後の直線に全てを懸けるような追い込み馬は差し切ることができます。
逆に、福島競馬場は最後の直線が日本で一番短いので、差し切ることが難しいです。
つまり、右回り・左回りではなく、直線の長さが重要な馬もいるのです。
なので、左回りで好走しているからといって、右回りの競馬場の時に軽視するのは危険です。
阪神競馬場のように右回りでも最後の直線が長い競馬場もあります。
まずは、左回りで好走している馬がいたら、脚質や近走でのポジションを確認してみましょう。
地方競馬の右回り・左回りコース
地方競馬には全部で14の競馬場があります。(ばんえいの帯広競馬場を除く)
地方競馬も中央競馬と同様に競馬場ごとで右回り・左回りが異なります。
右回りの競馬場 | 左回りの競馬場 |
門別、水沢、大井、金沢、笠松、名古屋 園田、姫路、高知、佐賀 |
盛岡、浦和、船橋、川崎 |
地方競馬も右回りのコースが多いです。
そのうえ、左回りコースは盛岡以外全て南関東競馬に偏っています。
中央競馬の場合は色んな競馬場で走る機会がありますが、地方競馬の場合は所属している競馬場以外で走ることは少ないです。
たとえば、名古屋競馬所属の馬は名古屋競馬場でしかほとんどレースをしないので、成績によって右回りが得意か不得意か判断しづらいです。
また、地方競馬は中央から移籍してくる馬も多いので、得意な回りなど関係なく、能力差で勝ち切る馬もいるので注意が必要です。
ただ、岩手競馬(盛岡、水沢)や南関東競馬(大井、川崎、浦和、船橋)は右回り・左回りがあるので、成績で判断することは可能です。
まとめ
日本の競馬場は中央・地方ともに右回りのコースが多いです。
右回り・左回りのどちらが得意かは得意な手前によって変わってきます。
ただ、極端に右回りや左回りが苦手な馬はそこまで多くないです。