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最強障害馬オジュウチョウサンについてまとめてみた

投稿日:2019年8月8日 更新日:

 

競馬の障害競走は競馬の魅力の一つでもあります。

そんな魅力のある障害競走に出走する障害馬のなかで史上最強と言われているのがオジュウチョウサンです。

 

ここでは、最強障害馬であるオジュウチョウサンについてまとめています。

 

 

オジュウチョウサンとは

 

 

オジュウチョウサンとは2020年現在で9歳の牡馬です。

 

父がステイゴールド、母がシャドウシルエットで、全兄にはラジオNIKKEI賞を制したケイアイチョウサンがいます。

 

馬名の意味は「家族名+冠名」です。

 

通算成績は2021年7月時点で34戦18勝となっており、平地競走の成績は8戦2勝、障害競走は23戦16勝です。

 

主戦は石神深一騎手で、障害レースのほとんどで手綱を取っています。

 

2016年~2018年までJRA賞最優秀障害馬に選出されています。

 

 

デビューから6戦目で初勝利

 

最強障害馬と言われていますが、最初の頃は中々勝利をつかむことができませんでした。

元々デビュー時は特に注目はされておらず新馬戦は12番人気で、デビューから4戦はいずれも2ケタ人気でした。

 

デビューから2戦は平地競走に出走しており、結果が残せなかったため障害競走に移行しました。

 

オジュウチョウサンはデビューから6戦目の障害4歳以上未勝利戦で、山本康志騎手を背に初勝利を挙げました。

 

初勝利を挙げてからはOP競走でも勝つようになりました。

 

 

 

中山グランドジャンプでJ・G1初制覇

 

初めてのJ・G1挑戦である中山大障害は6着でしたが、翌年の2016年4月に行われた中山グランドジャンプでJ・G1初勝利を挙げました。

 

当時、障害競走でチャンピオンだったアップトゥデイトが不在だったこともあり、オジュウチョウサンは2番人気となりました。

 

レースは道中3番手に位置し、最後の直線で逃げていた圧倒的1番人気のサナシオンをとらえて優勝しました。

 

この勝利からオジュウチョウサンは覚醒していきます。

 

 

不利を受けても勝ちきる

 

中山グランドジャンプを優勝後、同年6月に行われた東京ジャンプステークスも優勝します。

オジュウチョウサンはその勢いのまま、東京ハイジャンプに出走します。

 

ここでも簡単に勝利するかと思われましたが、思わぬアクシデントに見舞われます。

 

障害競走はただ走るだけでなく、障害も飛越しなくてはいけないため落馬する可能性が高いです。

東京ハイジャンプでも第2障害で1頭落馬してしまいます。

 

競馬では落馬した馬を空馬と呼びますが、空馬は落馬後も他の競走馬と一緒に一生懸命走る習性があります。

 

空馬は騎手がいないため、他の馬にお構いなしに好きなように走ります。

 

東京ハイジャンプでも空馬は他の馬と同様に走っていましたが、最後のコーナーで曲がり切れず、空馬のちょうど外側にいたオジュウチョウサンごと外に大きく膨れてしまいます。

 

この不利によってオジュウチョウサンは先頭集団から少し離れてしまいますが、最後の直線で盛り返しなんとか勝利をおさめます。

 

大きな不利を受けながらも勝ちきるオジュウチョウサンに競馬ファンは度肝を抜かれました。

 

 

 

中山大障害でライバルを撃破

 

東京ハイジャンプを制した後にオジュウチョウサンは2016年12月に行われたJ・G1中山大障害に挑みました。

 

この中山大障害にはオジュウチョウサンが頭角を現すまで、障害でチャンピオンだったアップトゥデイトも出走しました。

 

オジュウチョウサンはアップトゥデイトに初めてG1に挑戦した時の中山大障害でかなりの着差をつけられて完敗しており、それ以来の対戦となりました。

 

レースでは最終障害手前でアップトゥデイトをかわし、9馬身差の圧勝で見事リベンジを果たしました。

 

アップトゥデイトとはこの先何度も対戦することになります。

 

 

歴史的名勝負となった2017年の中山大障害

 

アップトゥデイトにリベンジを果たした2016年の中山大障害以降、オジュウチョウサンは3つの障害レースに出走し全て優勝しています。

 

この3つのうち2つのレースで、ライバルであるアップトゥデイトと対戦し、全てオジュウチョウサンが勝利しています。

 

そしてこの2頭は2017年の12月に行われたJ・G1中山大障害で再び対戦することになります。

 

2016年の中山グランドジャンプ以降、出走した全てのレースで勝ち続けているオジュウチョウサンはこの中山大障害で1.1倍という圧倒的支持を受けました。

 

レースでは事前に逃げると宣言していたアップトゥデイトが大逃げをかまします。

その2番手にオジュウチョウサンがつけるというレース運びとなります。

 

レース終盤からは大逃げするアップトゥデイトとそれを追うオジュウチョウサンの一騎打ちとなり、後続の馬たちはかなり後ろに位置することになりました。

「前王者」と「現王者」のぶつかり合いは非常に白熱しました。

 

残り100mでオジュウチョウサンがアップトゥデイトに並び、ゴール手前で見事差し切りました。

レースタイムの4分36秒1は1991年以来のレースレコードとなりました。

 

また、この勝利によってオジュウチョウサンはJ・G1の4連覇という記録を樹立しました。

 

どちらの馬も全力を尽くした大激戦のレースで、多くの競馬ファンの心に刻まれた名勝負となりました。

 

 

平地競走への挑戦

 

 

2018年4月の中山グランドジャンプも制したオジュウチョウサンは障害重賞9連勝となり、障害競走では敵なしの存在となりました。

 

そんな敵なしのオジュウチョウサンは2018年7月に平地競走へ復帰することになりました。

2018年7月に行われた500万下のレースに武豊騎手を背に出走し、久々の平地競走でしたが難なく勝利しました。

 

この勝利によってJRAのレース10連勝となり、これは日本中央競馬会発足されてから初の記録となりました。

 

次走の1000万下も勝利し、このまま有馬記念に直行することが決まりました。

 

 

有馬記念に出走

 

オジュウチョウサンは有馬記念の人気投票で3位となり、2018年12月に行われる有馬記念に出走することが決まりました。

 

有馬記念では5番人気に推されましたが、馬場の影響もあってか9着に終わりました。

ただ、レースではいくつかの見せ場を作りましたし、マカヒキなどの重賞ウイナーより先着しています。

 

負けはしましたが、多くの競馬ファンの心に残る有馬記念となりました。

 

 

JRA史上初の同一重賞4連覇

 

有馬記念後に色々とあり、オジュウチョウサンは障害競走に復帰しました。

 

復帰初戦である阪神スプリングジャンプでは1.1倍の圧倒的支持の中、ブランクを感じさせない走りで優勝しました。

 

そして、2019年4月に行われた中山グランドジャンプで偉業を成し遂げました。

 

中山グランドジャンプでも当然のごとく圧倒的人気を背負いましたが、難なく勝利をおさめました。

 

この勝利によって、JRA史上初の同一重賞4連覇という快挙を達成しました。

また、障害レース重賞11連勝という記録も樹立しました。

 

 

再び平地競走へ

 

障害では未だ敵なしの存在感を見せつけたオジュウチョウサンは再び平地競走に挑戦します。

 

初戦は2019年10月に行われた3勝クラスの六社ステークスで、誰もがこのクラスなら勝つだろうと思い、1番人気に推されます。

 

しかし、レースでは先行したものの、最後の直線で失速し、10着に敗れてしまいます。

 

その後、2019年の11月に行われたアルゼンチン共和国杯とステイヤーズステークスにも出走しましたが、どちらも見せ場なく惨敗に終わりました。

 

 

障害重賞12連勝を達成

 

平地で惨敗が続いていたオジュウチョウサンは2020年2月に障害に専念することとなりました。

 

オジュウチョウサン陣営は約11か月ぶりの障害戦に阪神スプリングジャンプを持ってきました。

 

このレースには、オジュウチョウサン不在の2019年中山大障害を制したシングンマイケルや障害5戦4勝のトラストなど新しい顔ぶれが出走してきました。

 

当然ながらオジュウチョウサンが1番人気となりましたが、今までとは違い、年齢や平地での惨敗から単勝1.7倍とオジュウチョウサンにしてはオッズが付きました。

 

レースでは道中3,4番手で進み、最後の障害を飛んでから一気に突き抜け、最終的に2着のシングンマイケルに9馬身差をつけて優勝しました。

 

勝ちタイム4分19秒1はレコードで、この勝利によって障害重賞を12に伸ばしました。

 

9歳になっても衰えず、障害の絶対王者として格の違いを見せたレースとなりました。

 

 

中山グランドジャンプ5連覇

 

オジュウチョウサンは阪神スプリングジャンプを快勝後、2020年4月に行われた中山グランドジャンプに出走します。

 

このレースを4連覇しているオジュウチョウサンは当然ここでも、単勝1.1倍の1番人気に推されます。

 

かなりのプレッシャーの中、3番人気のメイショウダッサイを退け、中山グランドジャンプ5連覇を達成しました。

 

 

障害重賞の連勝記録13でストップ

 

9歳になっても衰えを見せず、中山グランドジャンプ5連覇を達成したオジュウチョウサンですが、2020年11月に行われた京都ジャンプステークスに出走すると、まさかの黒星を喫しました。

 

6頭立てのレースで、単勝1.1倍、複勝1.0倍と圧倒的支持のもと出走しますが、3着に終わりました。

 

この敗戦により、障害重賞の連勝記録が13でストップしました。

 

 

左前第1指骨を剥離骨折

 

京都ジャンプステークスを敗戦後、2021年4月に行われた中山グランドジャンプに出走しますが、ここでも5着に終わりました。

 

その後に左前第1指骨の剥離骨折が発覚し、全治6か月と診断されました。

 

ただ、2021年7月現在、現役続行の意向が示されています。

 

 

まとめ

 

オジュウチョウサンはこれまで数々の功績を残してきました。

また、記録以外にもアップトゥデイトとの名勝負や有馬記念への挑戦という競馬ファンに多くのワクワクを届けてくれました。

 

しかし、これだけ偉大な記録を残してきたオジュウチョウサンですが、競馬初心者にはあまり知られていません。

障害競走は数も少なく、あまり注目されませんが非常に面白いレースです。

 

競馬初心者や競馬に興味のある人はぜひ障害競走にも注目してみてはいかがでしょうか。

 

 

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