競馬をやっていると時折「まくり」という言葉を聞くと思います。
競馬だけでなく競輪など他の公営競技でも聞く言葉ではありますが、いまいちイメージしづらい言葉だと思います。
ここでは、競馬で使われるまくりについて解説していきます。
また、まくりで有名な馬も紹介していきます。
競馬の脚質について
競馬のまくりについて知る前に、大前提として競馬の脚質について知る必要があります。
競走馬にはそれぞれ脚質があり、
- 逃げ
- 先行
- 差し
- 追い込み
主にこの4つに分けられます。
その名前の通り、
逃げ・・・レースで先頭に立って逃げるタイプ
先行・・・レース中に前目の方で走るタイプ
差し・・・レース中団から後方で競馬をするタイプ
追い込み・・・レース後方で競馬をするタイプ
となっています。
そして、この4つに属さないのがまくりとなります。
競馬のまくりとは
競馬の捲り(まくり)とは、レース中盤に後ろから一気に前方にいる馬を交わして先頭に上がっていく走りのことです。
つまり、最後の直線まで後ろにいるような追い込み馬でもなく、最初から先頭を走っているような逃げ馬でもなく、途中から前に上がっていくのがまくりという脚質となります。
たとえば、芝2000mのレースがあったとします。
途中の600mまでは先頭から10番目くらいの位置にいた馬が一気に上がっていき、1200mくらいの地点で先頭に立っていたらそれはまくりと言えます。
逆にレースで前から2番目くらいで走っていた馬が、1番手の馬を途中で交わすのはまくりとは言いません。
一気に加速して後ろから上がっていくことがまくりです。
まくりは少ない
まくりは脚質でもあると言いましたが、毎レースまくりをしている馬はほとんどいません。
そのため、競馬新聞などにある出走馬の脚質で捲り(まくり)というのはほぼ見ません。
基本的にレースの展開やペースによって、まくりの判断を騎手はするため、常にまくりをするというわけではありません。
また、まくりが出来る馬とできない馬もいます。
たとえば、最後の直線で一気に加速するような一瞬の脚しかない馬は捲り(まくり)をしてしまうとそこで失速してしまいます。
まくりのメリット
まくるメリットはそこまで多くはありません。
そもそもメリットが大きければ多くの馬がやるはずですが、実際まくりをする馬はそこまで多くありません。
ただ、まくりの成績は結構良いというのは有名な話です。
後ろから届かない時
直線が短い競馬場や超スローペースで逃げ・先行馬が明らかに残りそうな場合、後方にいてもチャンスはありません。
その場合、まくることによって位置が取れるので、最後の直線を迎えた時に勝負できるようになります。
いくら末脚が凄くても、ゴールを過ぎてから先頭を交わしても意味がありません。
そのため、先に少し脚は使うけど早い段階で前目に位置付けることで、チャンスが広がるのがまくりのメリットでもあります。
奇襲効果
まくりはいきなり外から先頭に向かって上がっていきます。
どの馬もマイペースで走っているところに奇襲をかけるような形となります。
早めに仕掛けていく形にもなるので、まくると予期していなかった馬たちは踏み遅れて仕掛けが遅くなる場合があります。
また、レースの展開がガラッと変わるので、レースが荒れる場合もあります。
そのため、能力は少し足りていないけど、何か起きればチャンスはあるかもって馬は捲ることによって好機を得ることができます。
まくる馬の見つけ方
まくりをする馬をどうすれば見つけられるのか。
まくる馬の見つけ方について軽く説明します。
1、近走で捲りをしていた馬
前走や前々走でまくりをしていた馬は今回もまくる可能性が高いです。
まくった経験のある馬はまくるという武器をもっているので、展開などによって再びまくる戦法を行う場合がよくあります。
そのため、出馬表を見て、近走でまくった経験がある馬は要チェックすべきと言えるでしょう。
ちなみに、出馬表の近走の通過順位を見れば、どの馬がまくっていたかが分かります。
たとえば、前走の通過順位が「13-13-1-1」とかであれば、まくったと分かりますよね。
道中後方にいたのに途中で一気に先頭まで来ていますので、まくったと言えます。
それでも分からない場合は過去のレース映像を観れば一目で分かります。
2、スローペース濃厚時の気性難な馬
競馬では前に行きたがって制御できていない馬を「かかっている」と言います。
かかる馬が一概に気性難とは言えませんが、基本的には気性難の馬がかかりやすいです。
そういった馬はレースがスローペースになると、とにかく前に前に行きたがります。
そのため、そのまま馬と喧嘩するよりかは、行かせてしまった方がいいと判断して、「もう行かせてしまおう」という騎手もなかにはいます。
それがまくりとなります。
なので、逃げ・先行馬が少なくスローペースが濃厚なレースで気性難な馬がいれば、その馬を狙えばまくる可能性が高いです。
3、エンジンのかかりが遅い馬
エンジンのかかりが遅い馬=すぐに加速できない馬は捲ることが多々あります。
要は最後の直線で「よし行くぞ!」ってなっても間に合わない馬を指します。
そういった馬は途中から騎手が追い続け、前に行くよう促していくため、徐々にポジションをあげていき結果的にまくったような感じになります。
一般的にはこういった馬をズブい馬ともいうので、騎手や調教師のコメントで「ズブいので・・・」などとあればまくる可能性はあります。
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まくりで有名な馬
ここでは、現役・引退問わず、まくりで有名だった馬の何頭かを紹介していきます。
テリオスベル
主な勝鞍 | 2023年ブリーダーズゴールド(Jpn3) |
主にダートの中長距離路線で活躍した馬です。
近年で一番まくる回数の多かった馬ではないでしょうか。
スタートしてから常に主戦だった江田照男騎手が追いっぱなしなくらい非常にズブい馬でした。
初めて重賞で馬券内に来た際も、1コーナーでは10番手あたりにいながら道中で一気にまくっていき、3コーナーで先頭に立ちそのまま粘り込み2着に残りました。
まくりで重賞を勝つことはありませんでしたが、まくりによって結果を残していたとは言えるでしょう。
ファウストラーゼン
主な勝鞍 | 2025年弥生賞(G2) |
芝の中距離路線で活躍している馬です。
この馬の場合はまくりで実際に重賞を勝っています。
2025年の弥生賞(G2)で3コーナーで13番手にいながら、そこから一気にまくっていき、4コーナーで先頭に立つとそのまま勝ち切りました。
弥生賞の前走のホープフルステークス(G1)でもまくりを行い3着と好走しており、2戦続けてまくりで結果を残した馬でもあります。
まとめ
まくりとは、後方にいた馬が一気に先頭に上がっていくことを指しています。
まくるメリットとしては、取りたい位置を取れたり、レース展開を変えることで自分に有利な展開にするなどがあります。
まくる馬はそこまで多くありませんが、非常にインパクトのある走りをしてくれるので注目してみることをおすすめします。