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競馬の落鉄とは?落鉄の影響は?落鉄について分かりやすくまとめてみた!

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時々、レース後の騎手や調教師のコメントで「落鉄が影響した」なんてことを耳にしますよね。

 

ただ、競馬を知らない人にとっては、落鉄とは一体何なのか想像もつかないと思います。

 

ここでは、競馬初心者の方でも分かるように落鉄について解説していきます。

 

 

落鉄とは

 

 

「落鉄(らくてつ)」とは、競走馬の蹄(ひづめ)に装着された蹄鉄が外れることを指します。

 

蹄鉄は馬の蹄を保護し、地面からの衝撃を和らげる役割を果たしています。

 

落鉄はレース中や調教中に発生することがあり、競走馬の走りに影響を及ぼす可能性があります。

 

ちなみに、レースに出走する全ての競走馬が蹄に蹄鉄を装着させています。

蹄鉄を装着させる際は蹄にくぎを打って装着させます。

 

蹄に神経は通っていないので、馬が蹄鉄を装着させる際に痛みは感じません。

 

 

蹄鉄の役割と重要性

 

蹄鉄は馬の蹄を保護するために装着され、人間の靴のような役割を果たします。

 

蹄鉄が外れると、蹄が直接地面に接することになり、蹄の損傷や走行バランスの崩れなどの問題が生じる可能性があります。

 

つまり、人間で例えるなら陸上競技の選手が裸足で全力疾走するようなものです。

 

 

落鉄の主な原因

 

 

では、どのような原因で落鉄するのか。

原因についていくつか紹介します。

 

 

自身の脚による踏み外しや他馬との接触

 

落鉄の原因として、馬が自分の後肢や対側肢で蹄鉄を踏んで外してしまうことがあります。

 

また、レース中に他の馬と接触した際に蹄鉄が外れることもあります。

 

競馬は1レース最大18頭出走します。

そのため、道中で他の馬と接触することは多々ありますし、急に近くの馬が斜行して、急ブレーキや急旋回することもよくあります。

 

 

蹄の健康状態や蹄鉄の装着不良

 

蹄の健康状態が悪い場合や、蹄鉄の装着が不適切な場合にも落鉄が発生しやすくなります。

 

蹄が柔らかい、蹄鉄の釘が緩んでいる、蹄鉄のサイズが合っていないなどが原因となります。

 

 

レース中の不規則な動きや障害物との接触

 

レース中に馬が躓いたり、障害物に接触したりすることで蹄鉄が外れることがあります。

 

特に芝とダートの切れ目などでの躓きや、急激な態勢の立て直しによる脚への負担が落鉄の原因となることがあります。

 

競馬のコースにはダートのレースでも芝からスタートするコースがあります。

その際に芝とダートの切れ目などで躓いたりします。

 

 

落鉄の影響

 

落鉄の影響はかなり大きいと考える競馬ファンは多いです。

 

いくつかの影響について紹介していきます。

 

 

バランスの崩れとパフォーマンスの低下

 

落鉄により蹄のバランスが崩れ、走行が不安定になることで、スピードやスタミナが低下する可能性があります。

 

新馬戦の調教師コメントで「走りのバランスがまだ悪い」などがあるように、競走馬がレースを勝つために走りのバランスというのは非常に重要なものです。

 

そのバランスが落鉄で崩れてしまうと、結果に大きな影響を与えてしまいます。

 

 

蹄の損傷や次走への影響

 

落鉄により蹄底や蹄壁が傷つくことがあり、炎症やその他の障害につながる可能性があります。

 

これにより、次走への影響や長期的な休養が必要になることもあります。

 

蹄の炎症というのは結構あります。

 

たとえば、毎日王冠や中山記念を勝ったことのあるシックスペンスはマイルCS(G1)を蹄の炎症で回避しています。

 

 

レース結果への影響と騎手のコメント

 

当然ながら、落鉄はレース結果に影響を与えることがあります。

 

騎手や調教師がレース後のコメントで敗因として挙げる場合も多々あります。

 

 

落鉄の予防と対策

 

 

落鉄を100%防ぐことはできません。

 

ただ、落鉄の予防や対策はできます。

 

 

適切な蹄鉄の装着と定期的な点検

 

蹄鉄は馬の蹄に合わせて適切なサイズと形状のものを装着し、定期的に点検することが重要です。

 

緩んだ蹄鉄や不適切な装着は落鉄のリスクを高めます。

 

 

蹄の健康管理と装蹄師の役割

 

蹄の健康を維持するために、適切な蹄のお手入れや栄養管理が必要です。

 

また、装蹄師がレース前や調教中に蹄鉄の状態を確認し、必要に応じて調整や交換を行います。

 

 

レース前のチェック体制と対応策

 

レース前には装蹄師が待機し、落鉄が発生した場合には迅速に対応できる体制が整えられています。

 

馬が興奮状態で蹄鉄の再装着が難しい場合には、蹄鉄を装着せずに出走することもあります。

 

 

落鉄は予想できるか

 

結論から言うと、予想できません。

落鉄はアクシデントのようなもので、馬柱やパドックを見て、予想することはできません。

 

ただ、以前に落鉄のあった馬だから、今回も落鉄の可能性があるというのは考えられます。

 

また、落鉄しても結果を残すくらい実力が抜けている馬に関しては気にする必要はないでしょう。

 

 

落鉄に関する有名な事例

 

落鉄に関する事件や有名な話について紹介していきます。

 

 

イソノルーブルの落鉄事件(1991年桜花賞)

 

1991年の桜花賞で、1番人気のイソノルーブルがスタート前に落鉄し、蹄鉄を再装着できないまま出走しました。

 

結果として5着に敗れ、観客からの訴訟にまで発展したことで話題となりました。

 

 

アドマイヤズーム(2025年NHKマイルカップ)

 

朝日杯FS(G1)の勝ち馬でNHKマイルカップ(G1)でも単勝2.5倍の1番人気に推されましたが、14着という結果になりました。

 

川田騎手はレース後に、スタートして200~300mで落鉄し、その影響があったようなコメントを残しています。

 

友道調教師も落鉄でバランスが悪くなり、直線でも外へ寄れていたというようなコメントを残していました。

 

敗因の全てが落鉄の影響なのかは分かりませんが、騎手や調教師のコメントを聞く限りは落鉄の影響は大きかったと言えます。

 

 

まとめ

 

落鉄は競走馬のパフォーマンスやレース結果に影響を与える重要な要素です。

 

競馬ファンや関係者は、蹄鉄の状態や馬の蹄の健康に注目し、落鉄のリスクを理解することで、より深く競馬を楽しむことができます。

 

 

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