競馬界には毎年、何名かの新人騎手が入ってきます。
しかし、昨今の競馬界は外国人騎手や一部の騎手に有力馬が集中し、若手騎手のチャンスが少なくなっています。
ただ、そんな状況でも活躍している若手騎手が何名か存在します。
ここでは、有望な若手騎手を何名か紹介します。
また、データを基に有望な若手騎手の買い時も紹介します。(2019年3月~2020年3月までのデータ)
坂井瑠星
2016年デビューした、矢作厩舎所属の騎手です。
父は大井競馬所属の2000勝を挙げた元騎手の坂井英光です。
デビューしてから毎年2桁勝利を挙げており、騎乗回数も非常に多いです。
2017年にはオーストラリアに約1年武者修行しに行きました。
今も昔も海外修行に行く若手騎手は少なく、なおかつ約1年海外で修行する騎手はほとんどいませんでした。
海外修行を終えて帰国した2019年には、武者修行の効果もあってか重賞を3勝するなど大きく活躍しました。
初めて重賞を勝ったフィリーズレビューでは、12番人気のノーワンを見事な騎乗で勝利に導きました。
ちなみに、このフィリーズレビューでは1着が同着と珍しい結果となりました。
2020年も結果は出ていませんが、数多くの重賞に騎乗しており、この先も多くのレースで彼の名を目にすることでしょう。
坂井瑠星の買い時
坂井瑠星は重賞を3勝した芝よりもダートの成績が良く、その中でもダートの長距離戦の成績が良いです。
2019年3月~2020年3月までのデータを見ると、ダート長距離の複勝率は約3割で、特に阪神のダート長距離の成績が良いです。
逆に芝のマイルの成績が悪く、勝率・複勝率ともに低いです。
他には2桁人気での勝利がたびたびあり、人気薄でも結構な頻度で勝ち切っています。
なので、人気薄のダート長距離戦で狙うべきでしょう。
岩田望来
2019年にデビューした騎手で、望来で「みらい」と読みます。
父は中央で1500勝以上を挙げている現役の騎手・岩田康誠です。
デビュー当時から岩田康誠の息子ということで注目度が高く、騎乗機会も同期と比べて多かったこともありますが、1年目から37勝を挙げる活躍を見せました。
中央と地方の新人騎手で争われる全日本新人王争覇戦では2着2回で総合優勝を果たしました。
JRA最少体重優勝を記録したメロディーレーンとのコンビで日経新春杯や阪神大賞典に出走するなど、2年目の騎手にしては珍しく、多くの重賞で騎乗しています。
多くの有力馬に騎乗しているので、いずれはG1も勝つことができるでしょう。
ただ、負担体重超過で過怠金を課されるなど、細かなミスも目立っています。
岩田望来の買い時
岩田望来は減量の恩恵もありますが、逃げ馬での成績がかなり良いです。
データを見ると、逃げ馬の時は複勝率が5割を超えているので、複勝を買えば2回に1回は的中します。
また、ダート短距離の成績が良く、特に小倉や中京などローカルのダート短距離戦がねらい目です。
泉谷楓真
2020年にデビューした騎手で、2020年組では唯一の栗東所属です。
デビュー戦でJRA史上46人目となる初騎乗初勝利を挙げました。
初勝利を挙げたレースでは1着同着という珍しいことが起き、初騎乗初勝利で1着同着となったのは史上初のことでした。
競馬学校を卒業するときには、騎手学校の時に優秀だった生徒に贈られるアイルランド特別大使賞を受賞しました。
デビューして1か月でコンスタントに白星を重ねており、重賞を勝つのも時間の問題でしょう。
泉谷楓真の買い時
デビューして日が浅いので、それほど有用なデータはありません。
強いてあげるなら、人気薄での勝利が多く、人気になると馬券外に飛ばすことが多々あります。
斎藤新
2019年に安田厩舎所属でデビューしました。
父はオークスなどを勝利したヌーヴォレコルトなどを管理した斎藤誠調教師です。
競馬学校卒業前の模擬レースで総合優勝し、アイルランド大使特別賞も受賞するなど、デビュー時から期待されるジョッキーでした。
デビューしてからすぐに初勝利を挙げると、毎月白星を重ねていき、最終的には1年目で42勝を挙げる活躍を見せました。
この活躍により、2019年の最多勝利新人騎手と中央競馬年間ホープ賞を受賞しました。
騎乗回数が増えればもっと活躍するでしょうが、落馬負傷など不運な事故にたびたび遭遇してしまう騎手でもあります。
斎藤新の買い時
若手騎手には珍しく、人気のある馬に乗ってしっかりと勝ち切ることが多いです。
逆に11番人気以降になると1度も勝てていないので、人気薄の場合は頭で買うのはやめましょう。
牡馬・牝馬に騎乗した時の成績はあまり変わりませんが、セン馬では勝率・複勝率ともに高い数値を示しています。
なので、上位人気のセン馬に乗っている時が狙い目です。
西村淳也
2018年にデビューした騎手です。
有望な若手騎手はデビューしてすぐに初勝利を挙げますが、西村淳也もデビューして1ヶ月もかからずに初勝利を挙げました。
デビュー2年目の2019年には55勝を挙げ、重賞にも騎乗しました。
若手騎手には珍しく、2019年に田所厩舎所属からフリーに転向しました。
フリーになると活躍できなくなる騎手も多いですが、西村淳也の場合はその後も活躍し続けています。
西村淳也の買い時
1番人気の時の連対率は約50%で、安定して人気の馬を馬券内に持ってきますが、それ以上に中穴人気の馬を勝たせる能力があります。
5番人気の時の勝率が約15%で、2番人気や4番人気の時よりも勝率が高いです。
ただ、2桁人気になると150回以上騎乗して1勝しかしていません。
ダートよりも芝のほうが勝率が高く、芝の長距離戦では勝率・複勝率ともに高い数値を示しています。
なので、芝の長距離戦で中穴人気の馬を狙うのがベストでしょう。
まとめ
ここで紹介した騎手以外にも有望な若手騎手はたくさんいますが、藤田菜七子や横山武史などは別の記事で紹介したので省略しました。
若手騎手はチャンスが少なく、G1など重賞に乗れる機会もあまりないですが、今回紹介した騎手たちはいずれG1を勝つことでしょう。