有馬記念といえば、賞金額や規模が大きいのはもちろんのこと、数々の名馬が引退するレースとしても有名です。
過去にはディープインパクトやオルフェーヴルなど競馬界を牽引した名馬が有馬記念で引退しています。
最近では、2017年のキタサンブラックが有馬記念をラストランに選び、見事優勝して引退しました。
ここでは、2019年の有馬記念で引退する馬について紹介します。
有馬記念が引退レースになる理由
なぜ有馬記念が多くの馬の引退レースになるのか疑問に思っている人も多いでしょう。
いくつか理由はありますが、主な理由は2つです。
一つは有馬記念の時期です。
有馬記念は12月末頃に行われますが、有馬記念が終わると次の芝G1までかなりの期間が空きます。
2歳G1はありますが、その後のG1は3月末の高松宮記念や大阪杯しかありません。
クラブ馬の場合、引退の年齢が決まっており、その歳で出走できる最後のG1が有馬記念なのです。
また、繁殖の時期に合わせるようにするので、必然的に年末で引退となるのです。
もう一つの理由も時期が関係しています。
G1は主に春と秋のシーズンに行われます。
有馬記念で引退する馬の主な流れは天皇賞秋やジャパンカップに出走して、最後に有馬記念に出走します。
秋に2戦、3戦して引退という流れが多いので、その年の最後のG1有馬記念に出走して引退となるのです。
2019年有馬記念の引退馬
今年の有馬記念も多くの馬が有馬記念をラストに引退を発表しています。
確実に出走するかは分かりませんが、ここでは有馬記念で引退する馬を紹介します。
シュヴァルグラン
元プロ野球選手の大魔神こと佐々木主浩氏がオーナーの馬です。
昨年末に一度引退を発表していましたが、撤回して今年の有馬記念で引退することとなりました。
数々のG1で好走しており、2017年のジャパンカップでは5番人気ながら初めてのG1勝利を挙げました。
このジャパンカップではG1を7勝した名馬キタサンブラックや2017年のダービー馬レイデオロを抑えての優勝でした。
有馬記念には2016年から3年連続出走しており、今年出走すれば4年連続となります。
2016年の有馬記念は6着でしたが、2017年と2018年は3着と好走しているので、今年も好走するかもしれません。
2019年3月に行われたドバイシーマクラシックでは2着に入り、力を見せましたが、その後の海外2戦はいずれも惨敗に終わっています。
ただ、得意の有馬記念で巻き返す可能性は大いにあるでしょう。
アエロリット
今年の天皇賞秋で3着となった5歳の牝馬です。
引退後は繁殖入りが決まっています。
G1勝利は2017年のNHKマイルカップの1勝のみですが、安田記念を2年連続2着とマイルG1で活躍しています。
2019年の安田記念では2着に入り、国内現役最強馬とされているアーモンドアイに先着しています。
ちなみにアーモンドアイに先着した馬はこれまで3頭(ニシノウララ、インディチャンプ、アエロリット)しかいません。
アエロリットの特徴といえば、「逃げ」です。
最近の代表的な逃げ馬となるとキセキかアエロリットでしょう。
前走の天皇賞秋もすんなりと逃げ、最後の直線でも逃げ粘りアーモンドアイ、ダノンプレミアムに続く3着と見事な結果を残しています。
2018年の後半から2019年の前半にかけては不調でしたが、近3走ではいずれも馬券内に入っています。
これまでマイルを中心に走っており、前走の天皇賞秋(2000m)が最長距離でしたので、有馬記念の2500mはアエロリットにとっては未知の距離となっています。
リスグラシュー
G1を3勝するなど活躍している5歳牝馬です。
桜花賞や秋華賞などで2着に入るなど好走はしているものの、イマイチ勝ちきれない馬という印象がありましたが、今年に入ってG1を2連勝しています。
初のG1制覇は2018年のエリザベス女王杯で、世界的に有名なモレイラ騎手鞍上のもと、2着のクロコスミアをクビ差で抑えて優勝しました。
今年の宝塚記念では唯一の牝馬ながらキセキやレイデオロを蹴散らし、完勝しました。
そして、前走の豪G1・コックスプレートでは日本調教馬初の優勝を果たしました。
宝塚記念を制し、数々の有名馬が優勝してきたコックスプレートでも優勝するなど、今年はまさに絶好調の年となっています。
リスグラシューは前でも後ろからでも競馬が出来る馬なので、有馬記念でどういった競馬をするかが楽しみです。
レイデオロ
2017年のダービー馬であり、2018年にはJRA最優秀4歳以上牡馬を受賞している名馬です。
全弟には2019年のエプソムカップを制したレイエンダがいます。
G1勝利数は2勝ですが、ジャパンカップと有馬記念で2着になるなど数多くのG1で好走しています。
2017年のジャパンカップではレイデオロと同じく、今年の有馬記念で引退するシュヴァルグランと名勝負を繰り広げています。
2018年までは国内最強クラスに位置していましたが、2019年に入ってから一度も馬券内に入ることができず、前走のジャパンカップでも1番人気ながら11着に敗れています。
ただ、ジャパンカップでは馬場が主な敗因であり、昨年の有馬記念では2着になっているので、今年の有馬記念でも好走する可能性はあります。
アルアイン
ディープインパクト産駒の2017年皐月賞馬です。
これまでにG1を2勝しており、G2でも3度の2着と実績のある馬です。
2017年の皐月賞では松山騎手を背に9番人気ながら優勝し、3連単100万越えを演出しました。
この年の皐月賞には今年の有馬記念で引退するレイデオロやジャパンカップを制したスワ―ヴリチャードなど、のちのG1戦線で活躍する馬が多く出走しており、その馬たちを抑えての優勝でした。
皐月賞後は善戦するも勝てない時期が続きましたが、2019年の大阪杯でまたもや9番人気ながら優勝します。
近3走はイマイチな結果に終わっていますが、有馬記念では2017年のダービー以来の松山騎手とのコンビで巻き返しが期待されます。
引退後は種牡馬入りが決まっています。
クロコスミア
重賞勝ちはG2府中牝馬ステークスの1勝だけですが、G1でも2着3回3着1回と好走してきた牝馬です。
クロコスミアといえばエリザベス女王杯で、3年連続で2着になっており、いずれも人気のない中で好走しています。
どんなに近走で凡走が続いても、エリザベス女王杯になると好走するのがクロコスミアでした。
これまでに勝浦騎手、岩田騎手、戸崎騎手など多くの騎手が手綱を取ってきましたが、ほとんどの騎手で結果を残しており、鞍上を選ばない馬でもあります。
2017年の府中牝馬ステークス以降勝てていませんが、意外性のある馬なのでラストランである有馬記念でも好走する可能性は十分にあります。
まとめ
2019年の有馬記念が引退レースとなった馬はシュヴァルグラン、アエロリット、リスグラシュー、レイデオロ、アルアイン、クロコスミアです。
有馬記念はたくさんの馬が引退レースに選んでおり、これまで数々の名馬が出走し、有終の美を飾っています。
2019年の有馬記念はリスグラシューが見事に有終の美を飾りました。