長い競馬の歴史において、歴代最強馬はどの馬なのか、たびたび話題になります。
ディープインパクトやキタサンブラックなど色んな馬が候補に挙がりますが、最有力なのがアーモンドアイです。
ここでは、歴代最強馬の一頭であるアーモンドアイについて紹介します。
アーモンドアイとは
アーモンドアイとは中央競馬所属の元競走馬です。
2015年3月10日生まれの牝馬で、2018年にはJRA年度代表馬に選ばれるなど活躍し、2020年12月に引退しました。
馬名の意味は美人とされる顔の目の形です。
通算競走成績は15戦11勝となっています。
負けたのは新馬戦と2019年の有馬記念、2019,20年の安田記念です。
ちなみに、新馬戦では圧倒的な1番人気ながらニシノウララという馬に敗れ2着でした。
では、このニシノウララはさぞ強い馬なのかというと、そうでもありません。
12戦2勝という競走成績でなかなか勝てず、2019年の11月に引退しました。
ですので、競馬とは単純に能力のある馬が勝つわけではないのです。
両親も名馬
アーモンドアイの父はロードカナロア、母はフサイチパンドラです。
父ロードカナロアは海外G1含めてG1を6勝するなど短距離界で活躍したスーパーホースです。
ロードカナロアは種牡馬としても優秀で、アーモンドアイ以外にもG1馬を複数頭輩出しており、皐月賞を制したサートゥルナーリアもロードカナロア産駒でした。
母フサイチパンドラもG1のエリザベス女王杯を制するなど芝の中距離で活躍しました。
ただ、フサイチパンドラは2017年にこの世を去っており、この先アーモンドアイの弟や妹が生まれないのは残念なことです。
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牝馬三冠を達成
牝馬三冠とは、3歳牝馬限定競走の桜花賞、オークス、秋華賞を全て制覇することです。
アーモンドアイは2018年に牝馬三冠を達成しました。
桜花賞は2番人気でしたが、オークスと秋華賞は圧倒的な1番人気でした。
どのレースも2着の馬に1馬身差以上つける完勝で、同世代の馬とは一線を画した走りを見せました。
長い競馬の歴史の中で、牝馬三冠を達成した馬はこれまでにアーモンドアイを含めて6頭しかいません。
どの馬も名馬で、特に2012年に牝馬三冠を達成したジェンティルドンナはジャパンカップを連覇するなど素晴らしい成績を残しました。
世界レコードを樹立
2018年に行われたジャパンカップ(東京芝2400m)でアーモンドアイは2分20秒6というタイムで優勝しました。
この2分20秒6という記録は、2005年にアルカセットが記録した世界レコード2分22秒1を1秒5も上回る驚異的なタイムでした。
この先このタイムが破られることは当分ないと思います。
世界を制す
アーモンドアイは2019年3月に行われたドバイターフに出走しました。
そこでも圧倒的な人気を背負いながら、世界の強者たちを退け優勝しました。
初の海外遠征やナイター開催も物ともせず、2着に1.1/4差をつけて勝利しました。
この勝利によってますます凱旋門賞への期待が高まりましたが、凱旋門賞への登録を行わないことが発表されました。
理由としては距離やコース、斤量などからベストのレース選択ではないと判断したからだそうです。
安田記念は敗れる
2019年6月に行われたG1安田記念では、1.7倍という圧倒的1番人気の中、3着に終わりました。
ですが、このレースはスタート直後に大きな不利を受けたため、敗れたのは仕方ないと意見も多いです。
実際不利を受けた外枠の馬の中で唯一アーモンドアイだけが馬券内に来たので、その意見が出るのも一理あります。
天皇賞秋を制する
安田記念を惨敗に終わったアーモンドアイは2019年10月27日に行われたG1天皇賞秋に参戦します。
G1馬が10頭出走するレベルの高いレースとなりましたが、アーモンドアイは単勝オッズ1.6倍という断然人気となります。
レースではスタートを上手く決めた流れから好位につけ、最後の直線では内を突いて抜け出し、2着のダノンプレミアムに3馬身差をつけて圧勝しました。
豪華なメンバー相手でしたが、とんでもない脚を見せ、楽勝に終わりました。
2着だったダノンプレミアムの調教師はアーモンドアイのことを「化け物」と讃えるほど、ここでは格が違いました。
有馬記念で初の凡走
アーモンドアイは天皇賞秋の後は香港カップに出走予定でしたが、熱発のため香港カップは回避し、2019年12月に行われる有馬記念に出走します。
G1馬11頭が出走する豪華な有馬記念となりましたが、ここでもアーモンドアイは単勝1.5倍の断然の1番人気に推されます。
2番人気には宝塚記念とコックスプレートを勝利した牝馬のリスグラシューが推され、実質アーモンドアイかリスグラシューの2強ではないかと言われていました。
アーモンドアイの不安要素といえば、香港を熱発で回避したくらいでほぼ完璧な状態での出走となりました。
しかし、レースではスタート直後はいつも通りでしたが、1周目の直線で折り合いを欠き、最後の直線では伸びることなく9着におわりました。
調教師はレース後、1周目の直線でスイッチが入ってしまったことが敗因と述べています。
史上最多の芝G1・8勝目を達成
有馬記念後、アーモンドアイはヴィクトリアマイルに出走し、2着に4馬身差をつけて快勝します。
続く、2020年6月の安田記念は残念ながらグランアレグリアに敗れ2着に終わります。
そして、半年の休みを経て昨年も勝利した天皇賞秋に出走します。
昨年ほどではありませんが、宝塚記念を制したクロノジェネシスや大阪杯3着のダノンキングリーなどの強豪が揃いました。
レースでは、いつもより前目の3番手で進み、最後の100m付近で先頭に立ち、そのままフィエールマンやクロノジェネシスの追い上げを振り切り勝利しました。
この勝利によって、史上最多の芝G1・8勝を達成しました。
世紀のジャパンカップで有終の美を飾る
天皇賞秋のあと、アーモンドアイは2020年11月に行われたジャパンカップに参戦します。
既に、このジャパンカップをもって引退することが発表されており、注目を集めるレースとなりました。
また、このレースには2020年のクラシック3冠馬コントレイルや牝馬3冠デアリングタクトの参戦も発表されており、一生に一度見れるか見れないかの世紀の1戦となりました。
アーモンドアイはここでも3冠馬2頭を差し置いて1番人気に推されました。
レースでは、すんなりスタートを決め、道中4,5番手でレースを進めます。
最後の直線200m付近で逃げていた馬を捉え先頭に立ち、コントレイルやデアリングタクトが迫る中、見事1着となります。
この勝利で自身が持つ芝G1最多勝利を9に伸ばしました。
また、JRAG1・8勝目も歴代1位、通算獲得賞金も日本馬1位となりました。
アーモンドアイは引退レースを最高の形で終えました。
ちなみに、引退後は繫殖牝馬となる予定です。
まとめ
通算獲得賞金1位や芝G1・9勝という様々な記録を樹立したアーモンドアイは多くの競馬ファンの記憶に残る名馬となりました。
歴代最強馬の候補はたくさんいますが、アーモンドアイが最有力と言ってもいいのではないでしょうか。
アーモンドアイは繫殖牝馬となる予定なので、これからは繫殖牝馬として活躍してくれることでしょう。
コメント失礼します。
凱旋門に出走するのを楽しみにしていたので残念ですが今後も歴史的名牝として頑張って行ってくれるのを楽しみにしています☆