2019年現在、ダート界のトップに君臨するのがゴールドドリーム、ルヴァンスレ―ヴ、クリソベリルの3頭です。
ここでは、現役ダート最強馬ゴールドドリームについて紹介します。
ゴールドドリームとは
ゴールドドリームは2013年4月19日生まれの牡馬です。
2019年10月現在の成績は20戦9勝でG1を5勝しています。
2017年にはJRA賞最優秀ダートホースに選ばれました。
馬名の意味はその名の通り「金の夢」です。
父はダートG1を4勝した名馬ゴールドアリュール、母は中央のダートで4勝を挙げたモンヴェールです。
新馬戦は3番人気ながら快勝
2015年12月13日の阪神競馬場で行われたダート1800mの新馬戦でゴールドドリームはデビューします。
数々のG1を制したゴールドドリームですが、新馬戦は3番人気でした。
出脚が鈍く序盤は後方でレースをしていましたが、徐々に上がっていき、外から1番人気と2番人気の馬を差し切り初勝利を挙げました。
新馬戦は川田騎手が手綱を取り、それ以降も何度か川田騎手が騎乗します。
ヒヤシンスステークスは上がり最速の脚で優勝
新馬戦を勝利したゴールドドリームは続く3歳500万下も勝利します。
そして、2016年2月21日に行われたヒヤシンスステークスに出走します。
このレースは、のちにJBCクラシックを制したケイティブレイブやUAEダービーを制したラニも出走していました。
2連勝中のゴールドドリームでしたが、他にも有力馬が多数いたため、5番人気と評価は高くありませんでした。
また、ここでは川田騎手ではなく田辺騎手が騎乗していました。
レースでは中団を追走し、最後の直線では大外から上がり最速の脚を使って、前にいたストロングバローズを交わして優勝しました。
初の重賞は2着に終わる
ゴールドドリームは3連勝と絶好調のままG2兵庫チャンピオンシップに出走します。
ここでは相手関係や3連勝中ということもあって、1.3倍の圧倒的1番人気に推されました。
レースは2番人気のケイティブレイブが逃げ、ゴールドドリームは3番手でレースを進めます。
そのまま差が詰まることはなく、ケイティブレイブに7馬身差をつけられての2着に終わります。
ユニコーンステークスで初重賞制覇
兵庫チャンピオンシップで敗れたゴールドドリームは2016年6月に行われたG3ユニコーンステークスに出走します。
いつも出脚の鈍いゴールドドリームですが上手くスタートを決め、好位でレースを運びます。
最後の直線では1番人気のストロングバローズとの叩きあいを制し、クビ差で重賞初勝利を挙げました。
ジャパンダートダービーは3着
ユニコーンステークスを優勝し、満を持して挑んだジャパンダートダービーでしたが3着に終わります。
兵庫チャンピオンシップではケイティブレイブに敗れたものの、ここではケイティブレイブを抑えて1番人気となります。
前走同様、好位でレースを運びますが、最後の直線で伸びきれず1着のキョウエイギアに大きく差をつけられての3着という結果に終わります。
チャンピオンズカップは凡走
ゴールドドリームはジャパンダートダービー後、武蔵野ステークスとチャンピオンズカップに出走します。
武蔵野ステークスから川田騎手に替わってデムーロ騎手が騎乗することになります。
武蔵野ステークスでは惜しくも2着に終わりますが、古馬相手にも力があることを証明します。
しかし、その勢いのまま1ヶ月後のG1チャンピオンズカップに出走しますが、12着と惨敗します。
スタートで出遅れ、途中で上がっていくものの、最後の直線で伸びきることができませんでした。
馬が集中していなかったことが敗因の一つとデムーロ騎手は述べています。
亡き父に捧ぐ初G1制覇
チャンピオンズカップに敗れた後、2016年2月に行われたG1フェブラリーステークスに出走します。
前走は惨敗だったものの得意の東京競馬場ということもあり、ここでは2番人気に推されます。
レースでは前走同様に出遅れますが中団へ上がっていき、最後の直線では外から伸びていき、一旦は内にいたベストウォーリアに並ばられるものの、クビ差で優勝します。
ゴールドドリームにとって初めてのG1勝利となりました。
また、フェブラリーステークス前日に父ゴールドアリュールが心臓疾患により死亡しており、亡き父に捧ぐ勝利となりました。
3戦連続で惨敗
フェブラリーステークス優勝後、ゴールドドリームはドバイワールドカップに選出され、ドバイに遠征します。
しかし、ドバイワールドカップでは力を発揮することができず、14着に終わります。
ドバイ遠征でリズムを崩したのか、その後も帝王賞で7着、マイルチャンピオンシップ南部杯は5着と惨敗が続きます。
敗因がイマイチ分からないため、ファンの中ではこのまま終わってしまうのかという不安もありました。
史上3頭目の快挙
ゴールドドリームは5着に終わった南部杯から2ヶ月後の2017年2月に行われたチャンピオンズカップに出走します。
ゴールドドリームは近走が惨敗続きだったこともあり、8番人気での出走となりました。
また、これまでゴールドドリームには川田騎手やデムーロ騎手が騎乗してきましたが、ここでは世界的に活躍する名手ライアン・ムーア騎手が騎乗しました。
前走から馬体重が14キロも増え、相変わらずスタートで出遅れますが、最後の直線で猛然と追い込んできて、内にいたテイエムジンソクとコパノリッキーを差し切り優勝します。
この優勝により史上3頭目の同一年のJRAダートG1ダブル制覇となりました。
ここからゴールドドリームの時代が始まります。
かしわ記念&帝王賞優勝
チャンピオンズカップの次走のフェブラリーステークスは惜しくもノンコノユメとクビ差の2着に終わります。
その後、ゴールドドリームは2018年5月のかしわ記念、2018年6月の帝王賞に出走し優勝します。
かしわ記念以降、主戦騎手がルメール騎手に替わりました。
かしわ記念ではフェブラリーステークスで敗れたノンコノユメにリベンジを果たし、帝王賞では昨年敗れたケイティブレイブに勝利するなど、今まで負けてきた相手を次々と打ち破りました。
また、近走はスタートで出遅れがちでしたが、かしわ記念と帝王賞では出遅れることなく、中団でレースを運ぶようになりました。
G1で3戦連続2着
ダート界の不動のチャンピオンとなったゴールドドリームですが、ここから下の世代からの突き上げを受けます。
まず、帝王賞を勝利したゴールドドリームは2018年に行われたマイルチャンピオンシップ南部杯に出走します。
南部杯では全日本2歳優駿とジャパンダートダービーを制した3歳馬ルヴァンスレ―ヴも出走してきました。
戦前からゴールドドリームとルヴァンスレ―ヴの2強と予想されており、当日のオッズもゴールドドリームが1.6倍、ルヴァンスレ―ヴが2.1倍でした。
ゴールドドリームはルヴァンスレ―ヴを追いかける形で中団でレースを運び、最後の直線ではルヴァンスレ―ヴとの一騎打ちになりますが、並びかけることはできず敗れてしまいます。
続く2018年12月に行われた東京大賞典では3歳馬オメガパフュームの2着、2019年2月に行われたフェブラリーステークスではダート6連勝中のインティに敗れての2着となります。
負けはしたもののG1連続連対を7に伸ばし、まだまだ衰えていないことを証明しました。
ちなみにルヴァンスレ―ヴはその後のチャンピオンズカップを優勝し、オメガパフュームも帝王賞を優勝しています。
かしわ記念連覇
ゴールドドリームは2019年5月のかしわ記念に出走し、フェブラリーステークスで敗れたインティと再び対戦することとなります。
インティが単勝オッズ1.6倍の一番人気、ゴールドドリームが1.9倍の2番人気で、3番人気のオッズが27.2倍と大きく離れており、2強対決となりました。
レースでは早め先頭に立ち、粘るインティを残り100mで捉えてフェブラリーステークスのリベンジを果たしました。
ゴールドドリームは2018年のかしわ記念も制しており、これで史上3頭目のかしわ記念連覇となりました。
ゴールドドリームの次走
ゴールドドリームは2019年6月に左前球節炎を発症し、2019年上半期は休養となっていました。
そこから順調とは言えないものの回復し、2019年10月14日に行われるマイルチャンピオンシップ南部杯に出走することが決まりました。
南部杯は2戦していずれも敗れていますが、出走メンバー的にも断然の人気となるでしょう。
まとめ
ゴールドドリームはこれまでたくさんのレースに出走してきました。
その中でG1を含む重賞を数多く勝ち、様々な記録を残してきたことから現時点ではダート界最強と言っても過言ではないでしょう。
ルヴァンスレ―ヴやクリソベリルなど優秀な馬が下の世代にはたくさんいますが、引退するまでダート界を牽引してくれることでしょう。