地方競馬をやる際にS1やH1など、中央競馬では見たことのない表記が出てくると思います。
ここでは、地方競馬の重賞の格付けや賞金、おすすめの地方競馬重賞について紹介していきます。
これを見れば、地方競馬の重賞はほぼ把握できます。
地方競馬の格付け
大前提として、地方競馬の重賞は各地区の競馬場ごとに格付けが異なります。
G1~G3
G1~G3は主に中央競馬で使われている表記であり、「G」とはグレードを指しており、G1~G3というのは国際的に最高の格付けの重賞となります。
地方競馬にはG2、G3のレースは存在しません。
唯一あるのが年末に大井競馬場で行われる東京大賞典(G1)のみとなります。
なので、地方競馬には国際的に最高の格付けの重賞はほとんどありません。
Jpn1~Jpn3
地方競馬で最もよく見るのがJpn1~Jpn3です。
Jpn1は日本独自の最高格付けのレースとなっています。
G1のように国際的な格付けではないものの、日本の中では最上位の格付けという意味です。
中央競馬にはJpn1~Jpn3は存在せず、地方競馬だけで使われている表記となります。
Jpn1~Jpn3は中央競馬所属の馬も出走できるため、交流重賞とも呼ばれています。
Jpn2~Jpn3のレースは様々な地方競馬場で開催していますが、Jpn1は大井や川崎など南関東競馬にしかありません。
各地区の地方競馬重賞の格付け一覧
地区 | 格付け |
南関東競馬(大井、浦和、川崎、船橋) | S1、S2、S3 |
兵庫県競馬(園田、姫路) | 重賞1、重賞2、重賞3 |
ホッカイドウ競馬(門別) | H1、H2、H3 |
愛知県競馬(名古屋) | SP1、SP2、SP3 |
佐賀県競馬(佐賀) | 格付けなし |
高知県競馬(高知) | 格付けなし |
岐阜県競馬(笠松) | SP1、SP2、SP3 |
岩手県競馬(盛岡、水沢) | M1、M2、M3 |
石川県競馬(金沢) | 格付けなし |
ばんえい競馬(帯広) | BG1、BG2、BG3 |
各地区で格付けが異なり、格付けがない競馬場も存在します。
基本的にSやMのようなアルファベットと数字の組み合わせであれば、重賞だと判断していいでしょう。
ただ、AやBは条件クラスでよく使われる表記なのでご注意ください。
地方競馬の重賞の賞金
中央競馬の重賞の賞金と比べると地方競馬の重賞の賞金は低いです。
中央競馬とは規模が違いますし、売り上げも違いますので当然と言えば当然です。
ただ、G1やJpn1といった格付けのレースの賞金は高いです。
G1やJpn1~Jpn3の賞金(一部)
レース名 | 格付け | 1着賞金 |
東京大賞典 | G1 | 1億円 |
川崎記念 | Jpn1 | 1億円 |
羽田盃 | Jpn1 | 5000万円 |
全日本2歳優駿 | Jpn1 | 4200万円 |
名古屋グランプリ | Jpn2 | 4000万円 |
浦和記念 | Jpn2 | 4000万円 |
関東オークス | Jpn2 | 3500万円 |
兵庫ジュニアグランプリ | Jpn2 | 3000万円 |
クラスターカップ | Jpn3 | 3000万円 |
東京スプリント | Jpn3 | 3000万円 |
北海道スプリントカップ | Jpn3 | 2400万円 |
各地区の地方競馬重賞の賞金(一部)
レース名 | 格付け | 1着賞金 |
大井記念(大井) | S1 | 3200万円 |
新春賞(園田) | 重賞1 | 1500万円 |
北海優駿(門別) | H1 | 1500万円 |
東北優駿(盛岡) | M1 | 1500万円 |
名古屋記念(名古屋) | SP1 | 800万円 |
ばんえいダービー(帯広) | BG1 | 300万円 |
ローレル賞(川崎) | S2 | 1200万円 |
ノースクイーンカップ(門別) | H2 | 600万円 |
園田プリンセスカップ(園田) | 重賞2 | 500万円 |
フジノウェーブ記念(大井) | S3 | 1500万円 |
ジュニアグローリー(笠松) | SP3 | 300万円 |
金沢シンデレラカップ(金沢) | 格付けなし | 300万円 |
各地区や各競馬場で賞金は大きく変わります。
特に賞金が高いのが大井競馬場で、賞金が低いのがばんえい競馬や笠松競馬などです。
中央競馬との賞金比較
地方競馬の重賞賞金は中央競馬の条件クラスの賞金レベルと言えます。
たとえば、中央競馬の1勝クラスの賞金は800万円です。
800万円ということは名古屋競馬のSP1の賞金と同じです。
また、中央競馬の重賞はG3でも4000万円を超えることが多いです。
地方競馬の重賞で4000万円を超えるレースはほぼないように、中央競馬の賞金は別格です。
なので、地方競馬の重賞をいくつも勝っている馬でも、中央競馬の2勝クラスの馬と同じくらいの賞金しか稼いでいないなんてことはよくあります。
競馬の重賞とは?賞金はどのくらい?重賞についてまとめてみた!
おすすめの地方競馬の重賞
ここからはおすすめの地方競馬の重賞を紹介していきます。
交流重賞も含めて紹介していきます。
川崎記念
毎年1月に行われるので、一年で一番初めのJpn1となります。
ちなみにJpn1って何?という人は競馬のG1とは?G1についてまとめてみたをご覧ください。
正式名称は「農林水産大臣賞 川崎記念」で、創設は1951年なので、かなり歴史のあるレースとなっています。
Jpn1ということもあり、中央競馬から重賞で活躍している強豪たちが何頭も出走してきます。
優勝馬は豪華なメンツばかりで、1990年ロジータ、1996、97年ホクトベガ、2009年カネヒキリなどがいます。
なかでも、日本競馬史上初のG1(Jpn1)を10勝したホッコータルマエはこのレースで2014年~2016年まで3連覇を達成しています。
2020年は圧倒的1番人気のチュウワウィザードが優勝しましたが、2着と4着に地方馬が入るなど、地方馬の活躍が目立ったレースとなりました。
また、2024年には地方所属のライトウォーリアが7番人気ながら優勝しています。
おすすめポイント
川崎記念が行われる1月は中央競馬ではG1が行われず、ダートの大きいレースと言えば東海ステークスくらいしかありません。
そのため、ダートの予想が得意、ダートのほうが好きという人は1月はあまり楽しめません。
なので、ダートの大きいレースが少ない1月に行われる川崎記念はダート好きには楽しみの1戦となっています。
川崎記念は波乱の少ないレースとなっており、12月の有馬記念などで稼いだ人は稼いだ分を人気馬に入れれば、堅実に稼ぐことができるレースとなっています。
ほぼ毎年、前走が東京大賞典だった馬が3着以内に入っているので、そういった馬の複勝を買えば当たるレースでもあります。
フルールカップ(H3)
毎年8月に門別競馬場で行われている重賞(H3)です。
2014年に創設された2歳牝馬限定の重賞となります。
距離はダート1200mで、頭数は毎年10頭前後となっています。
2歳牝馬限定の重賞なので出走数などが少ないため、予想がやや難しいレースでもあります。
おすすめポイント
このレースは結構荒れやすいです。
1番人気の勝率が良くありませんし、過去には12番人気の馬が3着に来るなど、人気薄が馬券に絡んでくるレースです。
地方競馬の重賞は上位人気決着になりやすく、非常に堅いレースが多いです。
その反面、フルールカップは波乱が期待できるので、高配当を狙いたい場合はおすすめです。
日本テレビ盃
毎年、船橋競馬場で9月末か10月初めに行われるJpn2です。
1954年に創設されたレースなので、歴史はかなり古いです。
ダートの祭典であるJBCクラシックのステップレースであり、優勝馬にはJBCクラシックの優先出走権が与えられます。
そのため、毎年強い馬が多く出走しており、実力も拮抗しているので、予想が難しいレースとなっています。
1998年に距離が1800mに変わって以降、一度も連覇を達成した馬がいないという珍しいレースでもあります。
おすすめポイント
この先のダート戦線で活躍する馬ばかりが出走するので、このレースでそれぞれの馬を見極めれば、JBCやチャンピオンズカップなどで大いに役立てることができます。
2011年以降は毎年JRA所属の馬が優勝しているので、JRAの馬を買っておけば問題ないレースでもあります。
実力が拮抗しているので、単勝で買うのは少し難しいので、オッズは付きませんが複勝でJRAの馬を買えば地方競馬初心者でも的中させることができます。
逆にいえば、地方馬を知らなくても的中させることができるレースとも言えます。
名古屋大賞典
その名の通り、名古屋競馬場で3月に行われるJpn3です。
1977年の創設当初から2022年までは1900m戦でしたが、名古屋競馬場の移転によって2023年から2000m戦に変更されました。
1996年に中央・地方全国指定交流競走になってからは、地方所属の馬が優勝したのは2回のみで、2004年以降は毎年JRAの馬が優勝しています。
G1でそこそこ好走する馬が多く出走するレースなので、ダートの中堅レベルの馬を知りたい方は必見のレースです。
おすすめポイント
先ほども紹介したように毎年JRAの馬が優勝しているので、地方の馬を知らなくても問題ないレースとなっています。
そのため、毎年かなり堅く決まるレースなので、狭く厚く入れないと儲かることはできません。
基本的に勝ち馬は逃げ・先行がほとんどでなので、JRA所属の逃げ・先行馬を買えば当たるレースとも言えるでしょう。
エーデルワイス賞
毎年10月に門別競馬場で行わる2歳牝馬重賞です。
エーデルワイス賞は交流重賞(JRAと地方競馬混合レース)ですが、交流重賞では基本的にJRAの馬が上位を占めます。
実際、日本テレビ盃や名古屋大賞典ではほぼJRAの馬が優勝しています。
しかし、エーデルワイス賞は地方馬の勝率が高く、上位を地方馬で占めることも珍しくありません。
おすすめポイント
2歳重賞なので、出走馬の戦歴も少なく、地方競馬に詳しくなくても予想がしやすいレースとなっています。
地方馬が活躍するレースでもあるので、荒れることが多く、高額配当も狙えるレースでもあります。
また、2歳戦の場合はここで気になる地方馬を見つけておけば、これから先、地方競馬をより一層楽しむことができます。
実際、エーデルワイス賞で上位入選した馬は、後の地方重賞で好走しています。
地方競馬初心者で荒れるレースが好きな人はエーデルワイス賞を買いましょう。
まとめ
今回紹介した地方競馬の重賞は全て交流重賞となっているので、JRAの馬も出走してきます。
地方馬だけの重賞も面白いレースがたくさんあるので、まずは交流重賞で地方競馬に詳しくなってから、地方馬だけの重賞を楽しみましょう。
どの重賞も地方競馬の知識がなくても予想できるレースなので、気になる方は馬券を購入してみてはいかがでしょうか。